2025.12.25
ひざ関節痛
階段を下りると膝がガクガクする原因|ひざに負担が集中する動き方とは?
階段を下りるときに、
「膝がガクッとする」「力が抜けそうで怖い」
そんな感覚はありませんか?
お皿の下あたりに違和感が残り、動くたびに不安になる——
実はこのタイプのガクガク感、靭帯や半月板ではなく、動き方の問題で起きていることが少なくありません。
特に多いのが、体重を支える場面で膝が前に出てしまい、膝だけで体を受け止めている状態。
この記事では、階段の下りで膝に負担が集中してしまう原因と、膝を守るために知っておきたい考え方を解説します。
目次
階段の下りで膝に負担が集中する“動き方”とは?
膝がガクガクすると聞くと、
「靭帯が傷んでいるのでは?」「半月板がズレているのでは?」
と心配になる方は少なくありません。
もちろん、強いひねりや転倒をきっかけにした症状では、靭帯や半月板のトラブルが関係することもあります。
ただし―
「平地は問題ないのに、階段の下りだけでガクガクする」
「検査では異常なしと言われた」
このようなケースでは、関節そのものの損傷よりも、体重の支え方=動き方の問題が原因になっていることが非常に多いです。
特に階段を下りるとき、次のような動きになっていませんか?
-
体を下ろす瞬間、膝が前に大きく出る
-
上体が立ったままで、股関節がほとんど動かない
-
「膝でブレーキをかけている」ような感覚がある
この状態では、体重を受け止める役割を股関節ではなく膝が一手に引き受けてしまいます。
その結果、お皿の下(膝蓋腱周辺)に強いストレスがかかり、
「ガクッと力が抜ける感じ」「抜けそうな不安定感」として現れるのです。
つまり、階段の下りで起こるガクガク感の正体は、
膝が弱いからではなく、膝が“頑張りすぎている”状態。

原因は「股関節の動き始めが遅い」こと
膝主導の動きというと、
「太ももの筋力が弱いから?」
「お尻を鍛えれば解決?」
と思われがちですが、実際はそれだけではありません。
多くの場合の本当の原因は、股関節そのものが弱いのではなく、“使い始めが遅い”ことにあります。
階段を下りる動作では、本来
「股関節 → 膝 → 足首」
という順番で体重を受け止めていくのが理想です。
しかし、股関節の動きが硬かったり、無意識に使えていなかったりすると、
体はより反応の早い膝から先に動いてしまいます。
するとどうなるかというと、
-
体重を受ける役割が一気に膝へ集中する
-
大腿四頭筋が強くブレーキをかける
-
お皿の下(膝蓋腱)が引っ張られ続ける
この積み重ねによって、
「ガクッとする」「抜けそうで怖い」といった不安定感が生まれます。
むしろ逆で、
股関節がうまく関われていないため、膝が代わりに頑張っている
——それが、階段の下りで起こるガクガク感の正体です。
セルフチェック|あなたの膝のガクガクは?
階段の下りで膝がガクガクする場合、
その不安定感が膝蓋腱(お皿の下)へのストレスによるものかどうか、簡単に確認できます。
次の項目をチェックしてみてください。
-
痛み・違和感は お皿の下あたり に出る
-
平地よりも 階段の下り・坂道で強くなる
-
歩くだけなら問題ないが、体重を「受け止める瞬間」が怖い
-
スクワットやランジで 膝の前側に違和感 が出やすい
3つ以上当てはまる場合、
靭帯や半月板のトラブルよりも、
膝蓋腱に負担が集中する動き方が原因になっている可能性が高いと言えます。
もちろん、正確な診断には医療機関での評価が必要ですが、
「異常はないと言われたのに不安が残る」
そんな方ほど、このタイプに当てはまるケースは少なくありません。
スクワットは悪くない|膝を守るために意識したい正しい動き方
階段の下りで膝がガクガクする人にとって、
スクワットやランジは「避けるべき運動」ではありません。
ただし大切なのは、何回やるかよりも、どう動くかです。
まず注意したい動き方(よくあるNG)
-
しゃがむたびに 膝が大きく前へ出る
-
上体を起こそうとしすぎて 股関節が折れない
-
「太ももに効かせる」意識が強すぎる
この動きでは、体重を支える役割が膝に集中し、
お皿の下(膝蓋腱)へのストレスが増えやすくなります。
膝を守るための「正しいスクワットの意識」
① 動き出しは股関節から
しゃがむときは、膝を曲げる前に
「お尻を後ろへ引く」意識を持ちましょう。
これだけで、体重を股関節で受けやすくなります。
② 体重は足裏全体で受ける
つま先や膝前に体重が寄ると、膝の負担が増えます。
かかと・小指側・親指の付け根で、
床を“面で踏む”感覚を大切にしてください。
③ 深さよりも「安定感」を優先する
無理に深くしゃがむ必要はありません。
膝がガクガクしない範囲で、
「安定して下りられる深さ」を基準にしましょう。
ランジでも考え方は同じです。
前に踏み出した脚の膝で止めるのではなく、
股関節で体を受け止める意識が重要になります。
スクワットやランジは、
正しく行えば「膝を守る練習」になります。
膝がガクガクする人ほど、
膝を鍛える前に、膝を使いすぎない動きを覚えることが大切です。
受診の目安|この場合は自己判断せず、専門家に相談を
階段の下りで膝がガクガクする症状の多くは、
動き方や負担のかかり方を見直すことで改善が期待できます。
ただし、次のような場合は、自己判断せず医療機関での評価をおすすめします。
-
膝が 明らかに腫れている、熱をもっている
-
ひねった・転んだ直後から 強い痛みや不安定感 が続いている
-
膝が引っかかって 伸ばせない・曲げられない 感覚がある
-
安静にしていても痛む、夜間痛 がある
-
ガクッとなって 転びそうになる不安 が強い
これらの症状がある場合、
靭帯や半月板など、関節内部のトラブルが関係している可能性も否定できません。
一方で、
検査では「異常なし」と言われたものの不安定感が残っている場合は、
関節の損傷ではなく、動き方や使い方の問題が影響しているケースも多くあります。
「どこに負担がかかっているのか」
「なぜその動きになるのか」
そうした視点で身体を評価してもらうことで、
階段の下りで感じるガクガク感の正体がはっきりすることも少なくありません。
まとめ|膝がガクガクする人ほど「膝を疑いすぎない」
階段を下りるときに感じる膝のガクガク感は、
必ずしも靭帯や半月板の損傷が原因とは限りません。
特に、
-
平地では問題ない
-
痛みはお皿の下に出る
-
階段の下りや体重を受ける瞬間だけ不安定
このような場合、膝そのものよりも「膝に負担が集中する動き方」が影響しているケースが多くあります。
膝を守るために大切なのは、
「膝を鍛えること」よりも、
膝が頑張らなくていい動きを身につけること。
そのためには、
-
どこで体重を受けているのか
-
なぜ膝主導の動きになっているのか
-
股関節がきちんと使えているか
といった視点で、身体全体を見直すことが欠かせません。
PRO-motionコンディショニングスタジオでは、
痛みのある部分だけを見るのではなく、
動き・姿勢・体重のかかり方を評価したうえで、
膝に負担が集中しない身体づくりをサポートしています。
「検査では異常なしと言われたけれど不安が残る」
「階段の下りが怖くて、無意識に避けてしまう」
そんな方は、一度ご自身の動き方を見直してみてください。
膝がガクガクしない毎日は、
膝を守る“使い方”を知ることから始まります。
執筆
片浦 聡司
PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))
名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。
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