2025.12.18
股関節の痛み マラソン
マラソンで股関節が痛い女性ランナーへ|内側の痛みの正体・女性ランナーに多い原因・完走するためのポイント
「走っていると股関節の付け根が痛くなってくる…」
「今年が初めてのフルマラソン。股関節が痛くて、本番で最後まで走り切れるか不安…」
「30kmあたりから股関節の内側がじわじわ痛くなり、フォームも崩れてくる」
こんな悩みを抱えながらも、
「できれば走るのはやめたくない」「何とか完走したい」
と痛みと付き合っているランナーは少なくありません。
この記事では、
- なぜ“走ると股関節の内側が痛い”のか
- 特に女性ランナーで起こりやすい理由
- 初マラソン完走のために、今からできる改善ポイント
を、できるだけ分かりやすく整理してお伝えします。
目次
走ると股関節が痛い最大の理由:求心位を保てていないから
股関節の痛みで最も多いのが、
「求心位(きゅうしんい)」が保てない状態 です。
股関節は、
- 骨盤側の“受け皿”=寛骨臼(かんこつきゅう)
- 太もも側の“丸い骨”=大腿骨頭(だいたいこっとう)
がハマる “球関節” です。

この大腿骨頭が、寛骨臼の「ど真ん中」に近い位置で収まっている状態が、求心位。
求心位に近いほど、
- 関節の接触面積が広くなり、荷重を分散しやすい
- 周りの筋肉がバランスよく働き、力を発揮しやすい
という「負担が少なく、力も出しやすい状態」になります。
反対に、求心位から外れてしまうと、
- 関節の一部に荷重が集中する
- 関節唇や軟骨など関節まわりの組織にストレスがかかる
- 筋肉がうまく働けず、周囲が無理をする
結果として、股関節の内側に痛みが出やすくなります。
特にランニングでは、
- 片脚で体重の2〜3倍の衝撃を受け止める
- それを何千回も繰り返す
という負荷がかかるため、求心位が崩れたまま走り続けると、「走ると股関節内側が痛い」状態に直結しやすくなります。

引用:人工関節ドットコム
なぜ求心位が崩れるのか?
女性ランナーに多い「骨の構造的な不安定性」
特に女性ランナーは、骨盤や大腿骨の形態的な特徴から、男性よりも求心位が崩れやすい条件 を持っています。
▼女性が股関節痛を起こしやすい主な理由
- 骨盤が広く、寛骨臼(受け皿)の斜傾が大きい
→ 大腿骨頭の“被り”が浅く、もともと不安定になりやすい

- 大腿骨の前捻角(前向きのねじれ)が大きいと言われる
→ 内股気味にしないと関節面が合いにくく、X脚のように内股で走りやすい - 内股での着地が増えると
→ 寛骨臼と大腿骨頭の距離が近くなり、関節の内側で「詰まり」「当たり」感が出やすい

引用:日経xwoman

引用:日経xwoman
- さらに、日本では女性に多い
→ 臼蓋形成不全(受け皿が先天的に浅い)を持つランナーも少なくない

引用:あかつき療法院
※臼蓋形成不全に関しては、以前紹介したこちらで詳しく解説しています
臼蓋形成不全で手術しかないと言われたあなたへ|実は“今できる保存的アプローチ”があります
https://promo-con.com/column/p535/
臼蓋形成不全に対する保存的トレーニング|股関節の安定性を高める自宅エクササイズ3選
https://promo-con.com/column/p570/
こうした特徴がある股関節は、
筋肉で求心位を保って、関節を守ってあげないといけません
求心位を保つには「筋肉の役割」が重要
求心位は、意識するだけでは保てません。
重要なのは、股関節まわりの筋肉が正しく働くことです。
求心位を守るために必要な筋肉は次の3方向から支えています。
- 横から支える:中臀筋・小臀筋
- 後ろから支える:深層外旋六筋
- 前から支える:腸腰筋
これらがバランスよく働くことで、股関節は中心に保たれやすくなります。

求心位が崩れた状態で走ると何が起こる?
こうした筋肉のサポートが弱いまま長距離を走ると、
疲労でフォームが崩れる
→大腿骨頭が受け皿の中心から外れていく
→荷重が偏り、内側にストレスが集中する
という悪循環が加速します。

フォームだけじゃない。股関節痛の本当のメカニズム
股関節痛というと「筋力不足」「フォームが悪い」とまとめられがちですが、実際にはもう少し深いメカニズムがあります。
要因①:衝撃を吸収する筋肉(お尻)が働いていない
股関節痛を抱えるランナーの多くは、
お尻の筋肉の“遠心性収縮(伸ばしながら力を出す働き)” が弱くなっています。
この遠心性収縮が弱いと、
片脚での着地衝撃をお尻で受け止められない
→股関節の内側へ負担がすべて流れやすい
→距離が伸びるほど痛みや違和感が増してくる
というパターンになりやすくなります。
要因②:座りすぎで股関節後面が硬くなる
デスクワーク・スマホ・リモートワークで、長時間座りっぱなしという方も多いはずです。
ずっと座っていると、
椅子と体重でお尻がつぶされ、血流不足・酸欠状態になる
→深層外旋筋など股関節後面の筋肉が硬くなる
→大腿骨頭が前方に押し出されやすくなり、求心位から外れやすい
という負の連鎖が起こります。
これが、
- 女性特有の「被りの浅さ」
- 内股傾向
と重なることで、より内側の痛みが強くなってしまうのです。
※ここの章に関しては、以前紹介したこちらで詳しく解説しています
https://promo-con.com/column/p759/
セルフケアがうまくいかない本当の理由
「走ると股関節が痛い」と検索すると、
- 股関節ストレッチ
- 太ももの前・内側のストレッチ
- シューズ・インソールの見直し
- とりあえず安静にする
といった対処法が多く出てきます。
もちろんどれも大事です。
しかし、次のような問題が残ったままでは痛みの根本原因はなかなか変わりません。
- もともと股関節の“被り”が浅く、不安定になりやすい
- 筋肉で求心位を保つことができていない
- 股関節で衝撃を受け止める準備が不十分
こうした “構造 × 使い方” の問題があると、
一時的には良くなるが、また少ししたら再発するという結果になりやすいのです。
言い換えると、
痛みが出た原因である「使い方」が変わらない限り、何をしても同じパターンで痛みが戻りやすい。
ここを抑えておくことが、マラソン完走に向けた「本当の改善」の第一歩になります。
まず確認しておきたい「受診すべきサイン」
次のような場合は、自己判断で走り続けるのではなく、整形外科での診察・画像検査(レントゲン・MRIなど) をおすすめします。
- じっとしていても股関節がズキズキ痛む
- 夜間痛があり、眠りを妨げる
- 股関節の可動域が明らかに狭くなっている
- あぐら・正座・階段の昇り降りで鋭い痛みが出る
- 股関節の奥で「引っかかる」「ロックする」ような感覚がある
こうした場合、
- 変形性股関節症
- 臼蓋形成不全
- 股関節インピンジメント(FAI)
などの疾患が隠れていることもあるため、状態を把握したうえでトレーニング・フォーム改善を進めた方が安全です。
PRO-motionで実際に行うアプローチ
① 股関節を整える(関節モビライゼーション)
- 大腿骨頭が前に抜けやすい状態を整える
- 股関節後方の深層外旋筋など、硬くなった部分を緩める
- 「筋肉で支えやすい位置=求心位」 を取り戻す土台づくり
求心位が取れてくると、
- 立っているだけでの違和感
- 一歩踏み出した瞬間の“詰まり感”
などが軽くなるケースも多く見られます。

② 自分の筋肉で関節を守る
股関節の求心位を整えたら、次に必要になるのが
「その良い位置を自分の筋肉で保ち続けられること」 です。
股関節はもともと不安定になりやすい構造をしているため、
手技で位置を整えても、筋肉で支えられなければ
走り出した瞬間にまたズレてしまう ということが起こります。
特に女性ランナーは、
「骨盤が広い」「受け皿が浅い」「内股になりやすい」などの構造的な要因から
求心位が維持しづらく、
筋肉が“支える役割”を果たせるかどうか が非常に重要です。

■ ③ お尻で衝撃を吸収するファンクショナルトレーニング
PRO-motionでは、マシンでただ筋力をつけるのではなく、
- 股関節で衝撃を吸収する
- そのまま前への推進力につなげる
という“走りに直結した連動”を意識した ファンクショナルトレーニング を行います。
こうしたトレーニングを通して、
「今までどれだけ走っても分からなかった“お尻が使える感覚”が初めてわかった」
と実感されるランナーも少なくありません。

PRO-motionが“走ると股関節が痛い”ランナーにできること
PRO-motionでは、
「痛みがあるから走るのをやめる」ではなく
「どうすれば走りながら改善していけるか」を一緒に考えることを大切にしています。
そのために、
あなたの痛みの原因がどこにあるのかを分析して、
あなたの股関節の状態に合わせた整体とエクササイズ内容を組み合わせてサポートしていきます。
※病名の診断や医学的な治療は、整形外科など医療機関の役割です。
変形性股関節症や臼蓋形成不全が疑われる場合は、医療機関での診断と並行しながらコンディショニングを行う形になります。
まとめ|「走ると股関節が痛い」から「走れる股関節」へ
最後にポイントを整理します。
「走ると股関節の内側(付け根)が痛い」背景には、
- 股関節そのものの構造的な要因
- フォーム・体の使い方の問題
- 負荷のかけ方の問題
が組み合わさっていることが多い
特に女性ランナーでは、
- 骨盤・寛骨臼・大腿骨の形態的な特徴
- 臼蓋形成不全などの素因
から、求心位を筋肉で作らないと内側に負担が集中しやすい
そのため、ストレッチや安静だけでは根本的な痛みの原因が変わらないため、痛みを繰り返しやすい
「今年が初フルで、走ると股関節の内側が痛くて不安…」という方でも、
原因を整理し、“股関節を守る走り方” を身につければ、走り方はまだ十分に変えられます。
- 「マラソンを笑顔で完走したい」
- 「30km以降でもフォームを崩さず走りたい」
- 「股関節の不安を抱えたまま走るのをやめたい」
そう感じているなら、
一度、自分の股関節の状態と走り方をセットでチェックすることが、完走への近道になります。
股関節の痛みを気にせず、気持ちよく42.195kmを走り切りたい方は、PRO-motionで “完走できるフォーム” を一緒に作っていきましょう。
執筆
牧野 将大
チーフコンディショニングトレーナー / 柔道整復師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
ビーチバレー選手、Jr日本代表新体操選手、Fリーガー、野球選手など、競技レベルを問わずアスリートへの施術・トレーニング指導を行う。
ACミランアカデミー愛知にてサッカー指導にも携わる。
痛みの原因を動作から見極め、再発防止とパフォーマンス向上を両立させるコンディショニングを得意とする。
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