2025.12.17
マラソン
マラソン後半で“腰が落ちる”本当の原因|30kmで失速するランナーはお尻が使えていない
マラソンで後半に腰が落ちて失速してしまう――
30kmの壁を越えられない――
レース後半にフォームが崩れる――
そんな悩みを抱えるランナーは非常に多くいます。
結論から言うと、
ランニング中に腰が落ちる最大の原因は、お尻の筋肉(股関節)で衝撃を吸収できていないことです。
しかし現代のランナーの多くは、この“お尻の筋肉で受け止める力”が不足しています。
その結果、膝や足首など他の関節が代わりに衝撃を吸収しようとしてフォームが崩れていきます。
目次
マラソン後半で腰が落ちる原因
■ 腰が落ちる最大の原因は“お尻で衝撃を吸収できていない”から
ランニングは片脚で体重を支える連続動作で、着地の衝撃は体重の約2〜3倍にもなります。
本来、この大きな衝撃を吸収するのは お尻の筋肉(股関節) です。
股関節で衝撃を受け止められないと、着地のたびに衝撃が膝・足首へ逃げてしまい、フォーム全体が崩れていきます。
※股関節で衝撃を吸収する仕組みは、以前紹介したこちらで詳しく解説しています
ランニングでお尻を使って走るには?|ランナーが知らない正しいお尻の使い方【専門家が徹底解説】

■ 30kmの壁を引き起こす”膝主導の走り”
お尻で衝撃が吸収できないと、膝や足首など別の関節で衝撃を吸収しようとします。
すると、膝が深く曲がるような“膝主導の走り”になり、次のような特徴を生みます。
・腰がストンと落ちる
・膝周囲(大腿四頭筋やハムストリング、腓腹筋など)が過剰に頑張る
・膝痛やシンスプリント、足裏の痛みに繋がる
・ドスドスとした上下動の大きい走りになる
・推進力が前に伝わらず、無駄に疲れる
腰が落ちることで上下動が増えると、本来“前へ進むはずの力”が上下に逃げるため、
同じエネルギーを使ってもスピードが維持できなくなり、燃費の悪い走りになります。
その結果——
30kmの壁として感じる“エネルギー切れによる失速”が起きます。
また、筋肉が過剰に働き続けるため、
レース後半では痛みや足のつりを引き起こしやすく、完走自体が難しくなることも…。
■ 腰が落ちるとブレーキをかけながら走っている(オーバーストライド)
お尻で衝撃を吸収できず他の関節で代償すると、
ランナーは無意識に “前で接地”しようとするフォーム に変わります。
理由はシンプル。
お尻で吸収できない → 体の前でブレーキをかけないと倒れそうで怖い
まさにイラストのように…

この動きがそのまま オーバーストライド(足を前に出しすぎて接地) を引き起こします。
オーバーストライドになると、
・ブレーキの強い走りで失速
・筋肉が過剰に働き、余計に疲れやすくなる
・足が流れてしまい、うまく蹴れない
・さらにお尻が働かなくなる
・結果、腰がもっと落ちる
という悪循環に陥ります。
これが、理想的な「真下接地」ができない根本原因です。

■ そもそも、なぜ臀部で衝撃を吸収できないのか?
最も大きな理由は “座りすぎ” です。
現代人は1日の大半を座って過ごすことで、
お尻の筋肉が次のような状態になりやすくなっています。
体重と椅子の座面で常に圧迫される
→血流不足(酸欠)で硬くなる
→お尻で衝撃を吸収できなくなる
特に深層外旋筋のような股関節後ろの筋肉が硬くなると、
大腿骨頭が前方に押し出される
→求心位(力が最も入りやすい関節位置)を保てない
→股関節が安定しない
その結果、お尻で支える力が出せず、膝や足首に負担が逃げる という構造になってしまいます。
つまり座りすぎは、
ランナーにとって 最も大きなパフォーマンス低下の原因 のひとつなのです。
※求心位に関しては、以前紹介したこちらで詳しく解説しています
マラソンで股関節が痛い女性ランナーへ|内側の痛みの正体・女性ランナーに多い原因・完走するためのポイント

■ 腰が落ちるランナーがやるべきトレーニング3選
お尻で衝撃を吸収できるようになるためには、
① お尻の柔軟性を取り戻す
② 股関節で体重を支える動作を習得する
③ 走りにつながる動作で再現する
という3ステップが必要です。
ここでは、特に効果の高い3つのトレーニングを紹介します。
・お尻のストレッチ
目的:お尻の柔軟性を戻す
股関節後面の柔軟性が戻ると、求心位が安定し走りの土台が整います。
方法
① 膝は三角に折り曲げ、膝を顔の正面にセット。
② 骨盤をかぶせながら、反対側の手を伸ばします。
③ 20〜30秒、ゆっくり呼吸しながら伸ばす
左右それぞれ2セット
ポイント
膝を曲げている側のお尻が伸びる感覚があればOK!
・ヒップヒンジ
目的:股関節で受け止める動作習得
腰が落ちないフォーム作りの基礎です。
方法
① 足を前後に開き、頭とお尻を一直線にキープ
② 前足の膝を軽く曲げ、後ろ足のかかとを上げる
③ お尻を少し上に突き出すイメージで、おじぎする。
10回 × 2セット
ポイント
お尻〜もも裏にかけて効いてる感覚があればOK!
お尻、膝、つま先が一直線にしながら、腰が落ちて膝が大きく曲がらないように注意しましょう
・ウォールドリル
目的:走りにつながる動作で再現する
真下接地の感覚を身につけられ、オーバーストライド改善に効果的。
方法
① 壁に手を置いて、体を一直線にセット
② 片脚をもも上げのように引き上げ、股関節で支える感覚を作る
③ そのまま左右交互に軽くテンポよく脚を入れ替える
10回 × 2セット
ポイント
入れ替えた時に、膝が曲がり腰が落ちないように注意しましょう
■ PRO-motionではランナー専門の“股関節評価”で原因を特定します
腰が落ちる原因は、フォームの見た目だけでは分かりません。
多くのランナーに共通するのは、
・お尻の筋肉が使えていない
・股関節の求心位が保てていない
・膝で衝撃を受け止めるクセが染みついている
・座りすぎによる股関節後面の硬さ
といった 身体の内部の問題 が根本にあります。
PRO-motionでは、こうしたランニング障害を専門に評価し、
・股関節の支持力
・臀部の遠心性の働き
・接地位置のクセ
・骨盤が落ちる瞬間の原因
を細かくチェックして、あなたが後半で腰が落ちる本当の理由を明確にします。
その上で、
・あなたの身体に合った改善エクササイズ
・関節や筋肉を整える「関節モビライゼーション」
・走り方の改善ポイント
を提案し、再発しないフォームへ導きます。
30kmの壁で苦しむランナーやサブ4・サブ3を目指す方まで、
「腰が落ちる」「30km以降に失速する」という悩みで来店される方はとても多く、
実際に “お尻で支える走り”を取り戻すだけで大幅に改善 されるケースがほとんどです。

■ まとめ|腰が落ちる走りは“お尻が使えない動作パターン”の結果
ランニング後半で腰が落ちる原因は、体幹の弱さだけではありません。
本当の原因は「お尻で衝撃を吸収できていない」こと。
その結果、
衝撃が膝や足へ流れる
→膝主導の走りになる
→腰が落ちる
→ブレーキをかけるフォームになる
→オーバーストライドが発生
→さらにお尻が使えなくなる
という悪循環に入り、30km以降の失速につながります。
しかし裏を返せば、お尻で衝撃を受け止める力が戻れば、この悪循環はすべて解消できる ということです。
もし、
・「腰が落ちずに最後まで走り切りたい」
・「30km以降でもフォームを維持したい」
・「膝や足裏の痛みを気にせず走りたい」
という想いがあるなら、あなたの走りはまだまだ伸びます。
PRO-motionでは、あなたの身体の使い方に合わせた改善プログラムを作成し、“お尻で支える走り”を一緒に取り戻していきます。
執筆
牧野 将大
チーフコンディショニングトレーナー / 柔道整復師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
ビーチバレー選手、Jr日本代表新体操選手、Fリーガー、野球選手など、競技レベルを問わずアスリートへの施術・トレーニング指導を行う。
ACミランアカデミー愛知にてサッカー指導にも携わる。
痛みの原因を動作から見極め、再発防止とパフォーマンス向上を両立させるコンディショニングを得意とする。
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