2026.01.07
ひざ関節痛
【理学療法士監修】膝痛ストレッチ完全ガイド|痛みを悪化させない正しい伸ばし方と注意点
「膝が痛いから、あまり動かさないほうがいい」
そう思って、つい膝をかばった生活になっていませんか?
実はそれ、膝の痛みを長引かせてしまう原因になることがあります。
膝に限らず、関節は動かさない状態が続くと筋肉が硬くなる、関節の動きが悪くなる、さらに痛みが出やすくなる
という悪循環に入りやすいからです。
だからといって、やみくもにストレッチをすればいいわけではありません。
やり方を間違えると、かえって痛みを悪化させてしまうケースも少なくありません。
このページでは、
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膝が痛いときにやっていいストレッチ・避けたいストレッチ
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痛みの出方別に考える安全な膝痛ストレッチ
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ストレッチだけでは改善しない人に共通するポイント
を、理学療法士の視点からできるだけ分かりやすく解説します。
目次
膝が痛いとき、ストレッチはやっていい?
結論から言うと、膝の痛みがあってもストレッチは「やったほうがいいケース」と「控えたほうがいいケース」があります。
ここを間違えると、
「ストレッチしているのに良くならない」
「むしろ痛みが強くなった」
という状況に陥りやすくなります。
安静にしすぎると、膝はさらに動かなくなる
膝が痛いと、
・歩く距離を減らす
・曲げ伸ばしを避ける
・できるだけ動かさない
こうした行動になりがちです。
しかし、関節は動かさない時間が長いほど硬くなる性質があります。
このため、何もしない「完全な安静」は、膝の痛みにとって逆効果になることが少なくありません。
「痛いところを無理に伸ばす」のはNG
一方で、
痛みが出ている場所を強く伸ばすストレッチは注意が必要です。
よくある失敗が、
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膝が痛い → 膝をグイグイ伸ばす
-
痛いけど我慢して続ける
-
「効いている気がする」と思ってやりすぎる
こうしたストレッチは、
炎症がある場合や、関節に負担がかかっている場合、
かえって痛みを悪化させてしまうことがあります。
膝痛ストレッチで大切なのは、
「痛いところ」ではなく「膝に負担をかけている原因」を緩めることです。
【症状別】膝痛を悪化させないストレッチ4選
膝の痛みは、出るタイミングや感じ方によって原因が異なります。
そのため、すべての人に同じストレッチが合うわけではありません。
ここでは、よくある膝の痛みを4つに分けて、「なぜそのストレッチが必要なのか」とあわせてご紹介します。
① 膝を曲げると痛い人向け|太もも前ストレッチ(大腿四頭筋)
太もも前ストレッチ(大腿四頭筋)
膝を曲げたときに痛みが出る人は、太ももの前側(大腿四頭筋)が硬くなっているケースが多く見られます。
この筋肉が硬いと、膝を曲げる動きのブレーキが強くなり、曲げるたびに膝への負担が増えてしまいます。
? このタイプの人は
「膝そのもの」ではなく、太もも前をゆるめることがポイントです。
やり方
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マットの上で横向きになり、下側の脚は軽く曲げて安定させる
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上側の脚の足首(または甲)を、同じ側の手で持つ
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かかとをお尻に近づけるようにゆっくり膝を曲げる
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太もも前が伸びている位置で止め、呼吸を止めず20〜30秒キープ
左右それぞれ 1〜2回 行いましょう。
ポイント
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腰を反らさず、骨盤が前に倒れないように意識
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「伸びている感覚」を優先し、無理に引かない
② 立ち上がりで痛い人向け|太もも裏ストレッチ(ハムストリングス)
太もも裏ストレッチ(ハムストリングス)
椅子から立ち上がる瞬間に膝が痛い場合、
太ももの裏側(ハムストリングス)の硬さが関係していることがあります。
この筋肉が硬いと、立ち上がるときに体を支えきれず、膝に余計な力がかかりやすくなります。
? 「立ち上がりがつらい」人は、太もも裏の柔軟性を取り戻すことが重要です。
やり方
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椅子に浅く腰かけ、片脚を前に伸ばす
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かかとは床につけ、つま先を軽く上に向ける
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背筋を伸ばしたまま、上体を少し前に倒す
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太もも裏が伸びる位置で 20〜30秒キープ
左右それぞれ 1〜2回。
ポイント
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背中を丸めず、股関節から前に倒すイメージ
-
伸び感は「気持ちいい」程度で十分
③ 歩くと不安定・怖い人向け|ふくらはぎストレッチ
ふくらはぎストレッチ
歩いているときに「膝がグラつく」「怖さがある」という人は、ふくらはぎの硬さが影響していることがあります。
ふくらはぎは、歩行時の衝撃を吸収し、膝への負担を減らすクッションの役割を担っています。
ここが硬いと、衝撃が直接膝に伝わりやすくなります。
やり方
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壁に両手をつき、片脚を後ろに引く
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後ろ脚のかかとを床につけたまま、体重を前へ
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ふくらはぎが伸びる位置で 20〜30秒キープ
左右それぞれ 1〜2回 行います。
ポイント
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かかとが浮かないように注意
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膝を伸ばしすぎず、自然な姿勢で
④ 片側の膝だけ痛い人向け|股関節まわりストレッチ
股関節まわりストレッチ
左右どちらか一方だけ膝が痛い場合、
膝そのものよりも股関節の動きの左右差が原因になっていることが多くあります。
股関節が硬いと、その分の動きを膝が代わりに頑張ってしまい、片側の膝だけに負担が集中します。
やり方
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仰向けに寝て、片膝を両手で抱える
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胸の方へやさしく引き寄せる
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お尻〜股関節が伸びる位置で 20〜30秒キープ
左右それぞれ 1〜2回。
ポイント
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膝ではなく、股関節まわりが伸びている感覚を意識
-
力を入れすぎず、呼吸を続ける
ストレッチだけで膝の痛みは改善するのか?
ストレッチで楽になるケース
ストレッチだけで症状が軽くなるのは、
次のような状態の人です。
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動かし始めに違和感がある
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膝が重だるい・こわばる感じが強い
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長く座ったあとや朝に痛みが出やすい
-
ストレッチ後に「動きやすさ」を感じる
これらは、
筋肉の硬さや関節の動きの悪さが主な原因になっているケースが多く、
適切なストレッチによって膝への負担が減り、痛みが和らぎやすくなります。
ストレッチをしても改善しにくいケース
一方で、ストレッチを続けていても
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その場では楽になるが、すぐ戻る
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数週間続けても変化がない
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かえって痛みが出ることがある
このような場合は、
ストレッチだけでは足りない状態になっている可能性があります。
よくあるのが、
-
身体の使い方のクセ
-
左右差や動作の偏り
-
筋力低下による膝への過剰な負担
といった問題です。
この場合、ストレッチだけでは膝を守りきれず、動いたときの負担が繰り返しかかってしまいます。
PRO-motionが考える「膝が痛くならない身体づくり」
PRO-motionでは、膝の痛みを
「膝だけの問題」ではなく、「身体の使い方の結果」
として捉えています。
そのため、ただ痛みのある膝をケアするのではなく、
なぜ膝に負担が集中してしまったのかを重視します。
① まずは“評価”|膝が頑張らされている原因を見つける
膝が痛い人の多くは、無意識のうちに
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片側に体重をかける
-
股関節や足首がうまく使えていない
-
動作のたびに膝が代わりに頑張っている
といった状態になっています。
PRO-motionでは、
姿勢や歩き方、立ち上がり動作などを確認し、
膝に負担をかけている原因を全身から評価します。
② “整える”|膝が頑張らなくていい状態をつくる
評価によって見えてきた原因に対して、
まず行うのが「整える」アプローチです。
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硬くなっている筋肉をゆるめる
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動きづらくなっている関節を動かす
-
膝以外の部位が本来の役割を果たせるようにする
この段階で目指すのは、
「意識しなくても膝に負担がかかりにくい状態」です。
ストレッチは、
この「整える」段階で大きな役割を果たします。
③ “鍛える”|動いても痛みが出にくい身体へ
身体が整ったあとは、
その状態を動きの中で維持できる力をつけていきます。
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立つ
-
歩く
-
立ち上がる
こうした日常動作の中で、
膝に負担を集中させずに動けるようにすることが目的です。
単に筋肉を鍛えるのではなく、
「どう使うか」まで含めて鍛えることで、
膝が痛くなりにくい身体を目指します。

歩き方はゴール|先に身体を整えることが大切
「歩き方を直せば膝は良くなりますか?」
と聞かれることがあります。
PRO-motionでは、歩き方は“ゴール”であって、スタートではないと考えています。
身体が整っていない状態で歩き方だけを意識しても、
無理がかかり、長続きしないことが多いからです。
まずは膝が頑張らなくていい身体をつくる。
その結果として、自然と膝にやさしい動きに変わっていきます。
5.まとめ|膝痛ストレッチで一番大切なこと
膝の痛みがあると、
「とにかくストレッチをすればいい」
と思いがちですが、それだけでは十分とは言えません。
-
膝が痛くても、動かさなさすぎるのは逆効果
-
ただし、痛いところを無理に伸ばすストレッチはNG
-
膝の痛みは、太もも・ふくらはぎ・股関節など
周囲の筋肉や使い方の影響を強く受ける -
痛みの出方に合わせたストレッチを選ぶことで、
悪化を防ぎながら楽にできるケースが多い
身体が整っていない状態で動けば、
どれだけストレッチをしても、
膝には同じ負担がかかり続けてしまいます。
膝が頑張らなくていい身体をつくり、
無意識の動きの中でも負担がかからない状態へ。
それが、膝の痛みを繰り返さないための一番の近道です。
「ストレッチを続けているのに良くならない」
「自分の場合は何が原因なのか知りたい」
そう感じた方は、
一度、身体の使い方から見直してみることをおすすめします。
執筆
片浦 聡司
PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))
名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。
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