2025.12.16
ひざ関節痛 マラソン
30km付近で膝の外側が痛くなる原因は“走り方”にあった|腸脛靭帯炎を繰り返さない改善ガイド【ランニング】
30kmあたりで膝の外側が痛くなり、失速してしまうランナーの多くは、次のような悩みを抱えています。
・走ると膝の外側が痛い
・30km付近で痛みが強くなる
・腸脛靭帯炎(ランナー膝)と言われたが治らない
・ストレッチしても改善しない
・原因が走り方だと感じている
本記事では、こうした悩みを持つランナーに向けて、
膝の外側が痛くなる原因(腸脛靭帯炎)と、再発を防ぐための改善アプローチをわかりやすく整理します。
目次
走ると膝の外側が痛いのはなぜ?|腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは?
膝の外側がズキッと痛む時、多くのケースで関わっているのが 腸脛靭帯炎(ランナー膝) です。
腸脛靭帯炎とは、太ももの外側を走る腸脛靭帯と呼ばれる大きな靭帯が、使いすぎによって炎症をおこし、膝外側に痛みが生じる状態です。
腸脛靭帯は、
・骨盤(腸骨稜)
・大腿筋膜張筋
・大殿筋
からつながり、太ももの外側を通って、
・脛骨外側(ガーディ結節)
に付着する大きな靭帯です。
この靭帯は、膝を安定させり、脚をスムーズに動かすために重要な役割を果たしています。


なぜ、ランナーに腸脛靭帯炎が多いのか?
膝を曲げ伸ばしをすると、腸脛靭帯は、
・膝を曲げる → 靭帯は後ろ側へ
・膝を伸ばす → 靭帯は前側へ
という形で、太もも骨である大腿骨外側上顆の上を前後にスライドします。
ランニングではこのスライドが数千〜数万回くり返されます。
それにより、腸脛靭帯に負担がかかり、靭帯が硬くなって張ってくると、
大腿骨外側上顆と靭帯が擦れて摩擦が強まる → 炎症を引き起して膝の外側が痛くなる
これが、多くのランナーが悩む 腸脛靭帯炎のメカニズムです。

腸脛靭帯炎になりやすいランナーの特徴|ラテラルスラスト
走ると膝の外側が痛くなる人には、共通する“身体の使い方のクセ” があります。
それが、ラテラルスラストです。
ラテラルスラストとは、
片脚で着地したときに骨盤が外側へ流れる状態
のことです。
これは、
-
中殿筋・小殿筋の働きの弱さ
-
股関節の安定不足
-
片脚立ちで骨盤を支えられない
といった理由で起こりやすくなります。
ラテラルスラストが起こると腸脛靭帯はどうなる?
支持脚(支えている脚)の骨盤が外側に流れることで、
腸脛靭帯は外側に引っ張られ、ギターの弦のようにピンっと張る
→大腿骨外側上顆の上をスライドする際の摩擦が増える
→張った靭帯が何度も擦れ、痛みが出やすい
という悪循環が起こります。
この状態でランニングのような反復運動を行うため、痛みが生じやすくなるのです。
つまり、腸脛靭帯炎は
靭帯そのものの問題ではなく、 “骨盤と股関節の使い方” が原因で起こるケースが非常に多い
ということです。
30km付近で膝の外側が痛くなる理由
腸脛靭帯炎は、走り始めでは痛くない人も多いです。
しかし、距離が延びるにつれて次のような変化が起こります。
【走り始め】
体が温まっていないため腸脛靭帯が硬い
→ 摩擦がやや強く痛む
→少し走ると温まり、一時的に滑らかになる
→痛み緩和
【30km付近】
ラテラルスラストして走ると…
走行距離により腸脛靭帯が張ってくる
→股関節周りが疲労してラテラルスラストがさらに悪化
→摩擦がさらに増える
→再び痛みが強まる
結果:「30kmの壁」につながる
安静にしても治らない腸脛靭帯炎への対処法|腸脛靭帯のモビライゼーションとラテラルスラストの改善
腸脛靭帯炎では一般的に、
・安静
・ストレッチ
・ランニング量の調整
などが推奨されます。
しかし、ラテラルスラストという“走り方の問題”が残ったままでは、痛みが引いても再発するケースがあります。
そこで必要なのが、
①腸脛靭帯そのものの滑走改善(モビライゼーション)
②ラテラルスラストの改善(荷重・走り方の修正)
です。
①腸脛靭帯のモビライゼーション(腸脛靭帯の滑走性をよくする技術)
腸脛靭帯は、大腿筋膜張筋・大殿筋と繋がっており、外側広筋や大腿二頭筋の上を走る構造です。
そのため、張りが強いと皮膚や筋膜との“癒着”が起こりやすく、滑走性が低下します。
PRO-motionでは、
・靭帯が周囲組織(皮膚・筋膜)に引っ張られない状態をつくる
・大腿骨外側上顆周囲の滑走を改善する
といったアプローチを行い、腸脛靭帯の滑走性を整える方法を採用しています。
安静やストレッチ、マッサージでは変わらなかったケースでも、滑走性が整うことで痛みが変化する場合があります。

②ラテラルスラストの改善
ラテラルスラストは、骨盤を支える中殿筋・小殿筋などの機能低下により起こりやすくなります。
これらが働かないと、
腸脛靭帯で過剰に体重を支える
→腸脛靭帯が張って摩擦増加
→痛み再発
という流れに…。
PRO-motionでは、
・中殿筋・小殿筋が働かない原因の分析
・関節のアライメント調整
・使えていない筋肉の活性化
・外側に流れない荷重の再学習
・ラテラルスラストを起こさない走り方の再習得
などを段階的に行い、痛みを再発しないランニングフォームを学習していきます。
フォーム改善ができなければ、腸脛靭帯炎は何度でも再発します。

テーピングを巻きたい方はこちらの記事をご覧ください!
PRO-motionのコンディショニング|再発させない“使い方”の再構築
PRO-motionでは、
「痛みを取ること」と「再発しない使い方の再構築」
この2つを重視しています。
そのために、弊社プログラムでは“整える × 鍛える” をセットで行うことが特徴です。
施術・トレーニングの例としては、
・歩行・ランニングフォームのチェック
・腸脛靭帯の滑走改善
・中殿筋・小殿筋などの機能改善
・正しい荷重の学習
・再発しやすい走りのクセの修正
などがあります。
痛みが改善するだけでなく、同じ症状を繰り返さないための身体づくりをサポートします。

【まとめ】腸脛靭帯炎は“使い方”の改善で再発しにくくなる
腸脛靭帯炎は、
・膝外側で起こる“摩擦”
・ラテラルスラストによる腸脛靭帯の張力増加
といったメカニズムによって発生します。
そのため、
「痛む組織にアプローチする」+「走り方・荷重の改善」
の両方がそろって初めて、根本的な改善に近づきます。
腸脛靭帯炎がなかなか改善しない、走る距離が伸びると痛む、終盤で失速してしまう——
そんな方は、一度専門的な評価と動作チェックを受けることで、改善の糸口が見つかる可能性があります。
執筆
牧野 将大
チーフコンディショニングトレーナー / 柔道整復師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
ビーチバレー選手、Jr日本代表新体操選手、Fリーガー、野球選手など、競技レベルを問わずアスリートへの施術・トレーニング指導を行う。
ACミランアカデミー愛知にてサッカー指導にも携わる。
痛みの原因を動作から見極め、再発防止とパフォーマンス向上を両立させるコンディショニングを得意とする。
Trial Program
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気になる方の「はじめの一歩」
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