臼蓋形成不全と診断され、
「手術はまだ避けたい」「今のうちにできることはないの?」
そう思って、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
臼蓋形成不全は、股関節の受け皿が浅く、
関節がズレやすい構造をしています。
そのため大切なのは、
むやみに筋肉を鍛えることではなく、
股関節を安定した位置で使える状態を作ることです。
実際、間違ったトレーニングや自己流のストレッチによって、
かえって違和感や痛みが強くなってしまうケースも少なくありません。
この記事では、臼蓋形成不全に対する保存的アプローチとして、
股関節の安定性を高めるために、自宅で安全に行えるエクササイズを3つご紹介します。
臼蓋形成不全|目指すのは「ズレにくい」状態をつくる
臼蓋形成不全と診断されると、
多くの方がまずこんな不安を感じます。
「動かしていいのか分からない」
「運動した方がいいの? それとも安静がいいの?」
「下手にやって、悪化しないか不安」
実際、
「臼蓋が浅い=関節が不安定」と聞くと、
怖くて何もできなくなってしまう方も少なくありません。
大切なのは「動かすこと」ではなく「どう動かすか」
臼蓋形成不全で本当に大切なのは、
ではありません。
ポイントは、
股関節がズレにくい状態で動けているかどうかです。
キーワードは「求心位(きゅうしんい)」
臼蓋形成不全の保存的アプローチで重要になるのが、
「求心位(きゅうしんい)」という考え方です。
求心位とは、
大腿骨頭が臼蓋の中心に、収まっている状態のこと。
臼蓋が浅くても、この位置で使えている時間が長いほど、
股関節は安定しやすく、余計な負担がかかりにくくなります。
※この「求心位」については、別の記事で詳しく解説しています
? 【臼蓋形成不全で手術しかないと言われたあなたへ|実は“今できる保存的アプローチ”があります】
目指すのは「関節がズレない状態」
臼蓋形成不全に対する保存的トレーニングの目的は、
痛みを我慢することでも、
無理に動かすことでもありません。
股関節がズレにくい位置で安心して動ける
そんな「関節がズレにくい状態」を体に覚えさせることです。
次の章では、
自宅でエクササイズを始める前に、
必ず知っておいてほしい注意点をお伝えします。
自宅で行う保存的トレーニングの前に知っておきたいこと
「よし、じゃあやってみよう」
そう思えたタイミングで、少しだけ立ち止まってほしいポイントがあります。
臼蓋形成不全のトレーニングで大切なのは、
頑張ることよりも、間違えないことだからです。
回数よりも「ズレずにできているか」
自宅トレーニングでよくある失敗が、
-
回数をたくさんこなそうとする
-
早く効かせようと頑張りすぎる
ことです。
臼蓋形成不全の場合、
回数を増やすほど良いわけではありません。
それよりも大切なのは、
-
動かしている最中に
-
股関節が前や内側に逃げていないか
-
違和感が強くなっていないか
を感じ取ること。
「ズレずにできたな」と感じる回数を、少しずつ積み重ねるイメージで十分です。
音や違和感が強くなる場合は中止する
トレーニング中に、
-
ポキポキ鳴る回数が増えた
-
鼠径部が重くなる
-
終わったあとに違和感が残る
こうした変化が出た場合は、いったん中止してください。
「合っていないサイン」を見逃さないことが、
長く続けるコツです。
迷ったら「一人で抱え込まない」
自宅トレーニングは、とても有効な選択肢です。
ただし、
-
何が正解か分からなくなった
-
やっているのに不安が消えない
-
逆に違和感が増えてきた
こうした場合は、専門家に評価してもらうことも大切な選択です。
股関節の安定性を高める自宅エクササイズ3選
自宅エクササイズ① クラムシェル
①クラムシェル
臼蓋形成不全では、体重がかかったときに股関節が内側や前にズレやすい特徴があります。
クラムシェルは、そのズレを防ぐために必要な
お尻の奥(深層外旋六筋)を使うエクササイズです。
ポイント
-
横向きに寝て、骨盤が動かないように
-
かかとは軽く合わせたまま、膝をゆっくり開く
-
お尻の横が使われる感覚を意識する
回数
注意点
自宅エクササイズ② 側臥位 中臀筋エクササイズ
②中臀筋エクササイズ
臼蓋形成不全では、立つ・歩く・片脚で支えるときに、骨盤が外へ流れ、股関節が内側に崩れやすくなります。
この動きを防ぐのが、お尻の横(中臀筋)です。
側臥位で行うこのエクササイズは、股関節を横から支える力を、よりはっきり感じながら鍛えることができます。
ポイント
-
横向きに寝て、体は一直線を保つ
-
下の脚は軽く曲げ、上の脚をまっすぐに伸ばす
-
つま先は正面〜やや下向きを意識
-
上の脚をゆっくり持ち上げる
回数
注意点
-
脚を後ろに振らない
-
骨盤が後ろに倒れない
-
腰で持ち上げない
自宅エクササイズ③ ひざ立ちクロスリーチ
③ひざ立ちクロスリーチ
臼蓋形成不全では、体重がかかるときに股関節が前や内側にズレやすくなります。
ひざ立ちクロスリーチは、これまでのエクササイズで作った安定性を、
より実際の動きに近い形で使う練習です。
ポイント
-
ひざ立ちになり、骨盤をまっすぐ立てる
-
体幹を保ったまま、片腕を斜め前へ伸ばす
-
股関節が内側に崩れないよう意識する
-
ゆっくり元に戻す
回数
注意点
-
骨盤が横に流れない
-
腰を反らさない
-
股関節に引っかかりや痛みが出たら中止
頻度は「毎日やらなくていい」
臼蓋形成不全の保存的トレーニングは、やりすぎないこともとても大切です。
目安としては、
で十分です。
「今日は調子がいいから多めに」よりも、
違和感なく終われたかどうかを基準にしてください。
こんな日はお休みでOK
-
股関節の違和感が強い日
-
鼠径部が重だるい日
-
動かすのが怖いと感じる日
休むことは後退ではありません。
股関節を守るための立派な選択です。
もし不安が残る場合は
-
やっていて合っているか分からない
-
音や引っかかりが気になる
-
痛みが増えてきた
こうした場合は、
一度専門家に評価してもらうことも検討してください。
「自宅でできること」と
「プロが見るべきこと」を切り分けることで、
保存的アプローチの精度は大きく上がります。
それでも不安な方へ|一人で抱え込まなくて大丈夫です
自宅でできる保存的トレーニングは、臼蓋形成不全にとって有効な選択肢の一つです。
ただ、
-
これで合っているのか分からない
-
音や違和感が気になる
-
動かすのが少し怖い
そんな不安を感じながら続ける必要はありません。
こんなときは、専門的な評価も選択肢に
-
トレーニング後に違和感が残る
-
鼠径部の不安感が強い
-
「ズレている感じ」が消えない
こうした場合は、
一度状態を確認してもらうだけでも十分です。
必ずしも手術の話になるわけではありません。
PRO-motionが大切にしていること
PRO-motionでは、
臼蓋形成不全に対して
-
股関節の位置(求心位)がどうなっているか
-
日常動作でズレが出ていないか
-
自宅トレーニングが今の状態に合っているか
を確認したうえで、
「今できる保存的アプローチ」を一緒に整理します。
「手術を考える前に、一度きちんと見てほしい」
そんな方にこそ、
役立つ評価を心がけています。
まとめ|臼蓋形成不全でも「今できること」はあります
臼蓋形成不全と診断されると、
「いずれ手術になるのでは」
そんな不安が一気に現実味を帯びてきます。
でも、
「手術しかない」と言われた瞬間がゴールではありません。
臼蓋の形そのものは変えられなくても、
股関節の使い方や安定性は変えられます。
-
ズレにくい状態をつくる
-
日常動作の中でそれを保つ
-
無理のない範囲で続ける
こうした積み重ねが、
将来の選択肢を広げることにつながります。
もし今、
-
何をしたらいいか分からない
-
自宅トレーニングに不安がある
-
一度きちんと状態を見てほしい
そう感じているなら、
一人で抱え込まず、専門的な視点を借りるのも一つの方法です。
不安な今だからこそ、
「知った上で選ぶ」ことが、
これからの股関節を守る第一歩になります。