2025.12.09
ひざ関節痛
正座ができない原因と対処法|膝・ふくらはぎが痛い人のための簡単ストレッチ
「昔はあたり前にできていた正座が、最近つらくなってきた…」
そんな変化に気づくのは、実は40代以降の方にとても多い悩みです。
特に多いのが、
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膝に違和感はあるけれど、大きなケガをした覚えはない
-
座ろうとすると片側だけ痛い・怖い
-
正座しようとすると膝ではなくふくらはぎがつらい
といった、“理由がはっきりしないまま正座がしづらくなるケース”。
実はその多くが、関節そのものの問題よりも
筋肉・筋膜の硬さや足首の柔軟性不足が原因 のことも珍しくありません。
つまり――
正座がつらくなるのは「老化」や「年齢のせい」だけではなく、改善できる要素もたくさんある ということです。
このあと、正座ができない原因をさらにわかりやすく整理し、
自宅でできる対処法やストレッチ、そして根本改善につながるアプローチを紹介していきます。
正座ができない主な原因
正座ができない理由は、大きく次の3つに整理できます。
① 関節の病気(変形性膝関節症・半月板損傷など)
膝や股関節の疾患があると、深く曲げる動きが制限されます。
代表的なもの
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変形性膝関節症
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半月板損傷・靭帯損傷
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変形性股関節症
こんな症状が多い
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膝が最後まで曲がりきらない
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正座で膝の内側・裏側が痛む
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腫れ・熱感・ロッキングがある
急な痛みや腫れがある場合は、まず整形外科での診察が必要です。
② 筋肉・筋膜・足首の硬さ
もっとも多いのがこのタイプ。
関節に異常がなくても、周囲の筋肉や筋膜が硬いだけで正座ができなくなります。
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太もも前(大腿四頭筋)
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太もも裏・ふくらはぎ
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すねの前(前脛骨筋)
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足首まわり
特徴
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レントゲンでは「異常なし」と言われる
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日によって痛みが変わる
-
正座だけ痛い・突っ張る
筋膜の癒着や足首の硬さがボトルネックになっているケースが非常に多いです。
③ 加齢・運動不足・体重増加
大きな病気がなくても、生活習慣の変化で正座がつらくなることもあります。
原因として多いもの
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加齢に伴う筋力・柔軟性の低下
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体重増加による膝への負担
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深く膝を曲げる習慣が減る(和式生活の減少)
特徴
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歩いた後に膝が重い
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しゃがみ込みがつらい
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昔よりバランスが取りにくい
正座ができない本当の原因
正座ができない理由、実はもっと根本的な“動きのメカニズムの乱れ”が隠れていることがよくあります。
それが スクリューホームムーブメント(SHM) の崩れです。
■ スクリューホームムーブメント(SHM) とは?
膝を曲げ伸ばしするとき、
脛骨(すねの骨)がわずかに回旋することで関節がロック・解除されるという、膝の非常に繊細な動きのことです。
正常なスクリューホームムーブメント(SHM) の動き
膝を伸ばす時 → 外旋(少し外向き)
膝を曲げる時 → 内旋(少し内向き)
この“ねじれの調整”のおかげで、膝はスムーズに曲がるし、正座の深い角度が取れるようになっています。
しかし、スクリューホームムーブメントが乱れている方は非常に多く見られます。
特に、
- O脚傾向
-
足首の過回内(アーチがつぶれるような立ち方)
-
偏った立ち方のクセ
これらがあると、脛骨が“過外旋(外にねじれた状態)”のまま固定されやすくなります。
その結果…
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膝が曲がる角度が物理的に出なくなる(正座の手前でつっかかる)
-
正座で膝の内側・膝裏が痛む
-
片側だけ正座しづらい方は、このパターンが非常に多い
臨床では、
「関節には問題がないのに、ねじれを整えただけでその場で正座できた」
というケースを数多く経験します。
スクリューホームムーブメントSHMの乱れが疑われる簡単チェック
① 仰向けで片膝を曲げる→ 足先が外へ向く・曲げるときに外へねじれる
② 膝を伸ばすときに“外に倒れるクセ”がある
これらは、スクリューホームムーブメントの乱れを示す典型的なサインです。

スクリューホームムーブメントが崩れている場合は、まず“膝のねじれ”を整えることが最も効果的です。
正座がしやすくなる簡単ストレッチ3選
正座がしづらくなる大きな原因は、太もも・ふくらはぎ・足首まわりの硬さ。
ここでは、正座に必要な可動域をまとめて整えられる“即効性のある3つ”だけに絞って紹介します!
① 膝蓋上嚢(しつがいじょうのう)ほぐし
① 膝蓋上嚢(しつがいじょうのう)ほぐし
膝のお皿のすぐ上には「膝蓋上嚢(しつがいじょうのう)」という、滑液がたまるポケットのような部分があります。
ここが硬くなると膝の曲がりが悪くなり、正座の途中で“つっかかる感じ”が出やすくなります。
膝蓋上嚢をやさしくほぐすことで、膝が曲がりやすくなり、正座の入りがスムーズになります。
やり方
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脚を伸ばして座る
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膝のお皿の「すぐ上」を指で軽く押さえる
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上下・左右にゆっくり揺らすように動かす
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20〜30秒ほど続ける
ポイント
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お皿そのものではなく「お皿の上の柔らかい部分」をほぐす
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強く押す必要はない(軽い圧でOK)
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曲げ伸ばしの“引っかかり感”がある人に特におすすめ
② 太もも前ストレッチ
② 太もも前ストレッチ
正座で突っ張りやすい 太もも前(大腿四頭筋) をほぐすと、膝が深く曲がりやすくなります。
やり方
これは 大腿直筋(だいたいちょっきん)を狙って伸ばせる ので、正座で前ももが強く突っ張る人に非常に効果的です。
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片膝を立て、反対側の膝は地面につけて膝立ちになる
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地面についている側の足首を手で持ち、かかとをお尻に近づける
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太もも前が伸びているのを感じながら 20〜30秒キープ
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反対側も同様
ポイント
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膝が地面についた状態なので 膝蓋骨(お皿)が固定され、上の大腿直筋にストレッチが入りやすい
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腰を反らしすぎない(骨盤を軽く後ろに倒すとさらに伸びる)
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痛みの強い無理な引き寄せはNG
③ スクリューホームムーブメントを整える“脛骨内旋エクササイズ”
③ スクリューホームムーブメントを整える“脛骨内旋エクササイズ”
このエクササイズは、脛骨内旋を自然に誘導しながら膝を曲げることで、
スクリューホームムーブメントを整え、正座に必要な動きをスムーズに戻すためのものです。
やり方
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横向きに寝て、上の脚を前に一歩出す
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上の脚のつま先を床につけ、踵を軽く浮かせる
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そのまま膝をゆっくり曲げて、お尻に近づける
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痛みのない範囲で 10〜15回
ポイント
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つま先接地+踵アップ=脛骨内旋のセットポジション
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「ねじれが整う感覚」が優先。深く曲げようとしなくてOK
- 片側だけ正座しづらい人・膝内側がつっぱる人に特に効果的
受診が必要なサイン(整形外科へ行くべきケース)
次のような症状がある場合は、自宅ケアを続けるよりも 整形外科の受診が安心 です。
① 膝が急に曲がらなくなった・ロックする感覚がある
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半月板損傷などで“引っかかる”ような症状が出ることがあります。
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無理に曲げ伸ばしすると悪化する可能性も。
② 膝が腫れている・熱を持っている
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急性の炎症、靭帯損傷、感染などが隠れている場合があります。
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温めるのはNGで、まず医療機関での評価が必要。
③ 体重をかけると強い痛みが出る
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歩くのがつらい
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立ち上がる瞬間に鋭い痛み
④ 痛みが数週間以上続いている
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レントゲンでは異常がなくても、軟部組織(半月板・靭帯・筋膜)にトラブルがあることも。
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放置すると慢性化しやすいため、相談をおすすめします。
⑤ 正座だけでなく、日常の動作にも支障が出てきた
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階段が怖い
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膝が抜けるような感じがする
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曲げ伸ばしが生活に影響している
迷ったら「受診して確認する」ほうが安心
正座の痛みは、関節の病気・筋肉の硬さ・使い方のクセなど原因がさまざま。
自己判断が難しいからこそ、“いつもと違う痛み” がある場合は一度診てもらうこれが一番確実で安全です。
根本改善のためのコンディショニング
正座がしづらくなる理由は、単に関節の変形や筋力不足だけではありません。
実際には、筋膜の硬さ、身体の使い方のクセ、そして膝が曲がるときの微細なねじれ(スクリューホームムーブメント) といった“動作の質”が大きく関わっています。
たとえば、脛骨がわずかに外へねじれたまま動いていると、膝は深く曲がらず、正座の途中でつっかかるような感覚が生まれます。これは画像検査ではわからない領域で、使い方を整えない限り、何度ストレッチをしても戻ってしまう厄介なタイプです。
PRO-motionではまず、正座ができなくなっている本当の理由を、姿勢や動作の流れから丁寧に評価します。
膝だけを見るのではなく、股関節や足の動き、体重の乗り方、ねじれのクセまで確認することで、どこに負担が集中しているのかを明確にしていきます。
そのうえで、固まっている筋膜をほどき、失われていた可動域を取り戻し、必要な筋肉が自然に働くように“動作そのもの”を整えます。
特にスクリューホームムーブメントが乱れている方には、ねじれを正しい方向へ導きながら膝を曲げるトレーニングを行い、正座の入りをスムーズに戻していくアプローチを行います。
こうしたコンディショニングを進めることで、
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病院では異常なしと言われたのに曲がらない
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片側だけつっかかる
-
ストレッチでは変わらなかった
という方でも、動きが軽くなるケースが多くあります。
正座ができない状態は、「歳だから仕方ない」と諦める必要はありません。
身体の使い方が整うだけで、膝は驚くほどスムーズに動き始めます。
「根本から動きを変えたい」「痛みを繰り返さない身体にしたい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
正座ができなくなる原因は、関節の病気だけでなく、
筋膜の硬さや身体の使い方のクセ、そして膝の“ねじれ(スクリューホームムーブメント)” など、
見えない部分の影響がとても大きいものです。
ストレッチやセルフケアで改善できるケースも多く、「歳だから仕方ない」と諦める必要はありません。
もし、
-
片側だけつっかかる
-
正座の最後で痛む
-
ストレッチをしても変わらない
といった状態が続く場合は、一度“動きのクセ”を専門的にチェックすることで改善の糸口が見つかります。
正しく整えていけば、膝は必ず変わります。
あなたのペースで、また気持ちよく正座ができる身体を取り戻していきましょう。
執筆
片浦 聡司
PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))
名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。
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