2026.01.26

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水泳選手も熱中症になる?ジュニアアスリートが知っておきたい脱水のメカニズムと危険なサイン

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「プールの中にいるから、水泳選手は熱中症とは無縁」と思っていませんか?

実は、水中にいても体温は上昇し、周囲の湿度も高いため、自覚がないまま脱水が進む「隠れ脱水」が非常に多いのです。

今回は、大塚製薬の佐々木さんをお招きしたセミナーの内容をもとに、ジュニアアスリートとその保護者が絶対に知っておくべき「熱中症の正体」について詳しく解説します。


1. 熱中症はなぜ起こる?身体の中で起きていること

熱中症とは、高温多湿の環境下で、体内の水分や電解質(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温調節機能が正常に働かなくなる状態の総称です。

私たちの身体は、運動によって上がった体温を下げるために、主に2つのシステムを持っています。

  • 「発汗」による冷却: 汗が皮膚から蒸発する際、周囲の熱を奪う(気化熱)ことで体温を下げます。

  • 「皮膚血流量」の増加: 皮膚のすぐ下に血液をたくさん流し、外気によって血液を冷やして内臓に送る、いわば車のラジエーターのような役割です。

しかし、水分が足りなくなると、血液の量が減り、これらが機能しなくなります。

結果として熱が体内にこもってしまうのが熱中症の正体です。

2100年には名古屋でほぼ毎日30度を超えるという予測もあり、対策は「知っていれば防げる」必須のスキルです。

2. 「足がつる」は疲労ではなく、熱中症の初期症状!

多くのジュニア選手が経験する「足がつる(こむら返り)」という現象。

これを単なる「筋肉の使いすぎ」や「練習不足」だと思っていませんか?

実は、足がつるのは熱中症の「度合い1(軽症)」に分類される立派な初期症状です。

体内の水分と塩分バランスが崩れ、神経や筋肉が異常な収縮を起こしているサインなのです。

  • 注意すべきサイン: めまい、立ちくらみ、生あくび、そして筋肉のけいれん。
    これらを「根性が足りない」と見過ごすと、意識障害やけいれんを伴う重症へと進む恐れがあります。
    「おかしいな」と思ったらすぐに休む勇気が大切です。

3. ジュニア世代が特に注意すべき3つの理由

子供は大人のミニチュアではありません。身体の機能が未発達なため、熱中症リスクは大人より格段に高いのです。

  1. 体温調節が未熟: 汗をかく機能が十分に発達しておらず、熱を逃がすのが苦手です。

  2. 地面からの距離: 背が低い子供は、地面からの「照り返し」を大人より強く受けます。プールサイドの熱気も大人より過酷に感じています。

  3. 体調に左右されやすい: 寝不足や朝食抜きは、一気にリスクを高めます。特に「急に暑くなった日」は身体が慣れていないため、最も注意が必要です。

4. 万が一の応急処置:命を守る3ステップ

もし仲間や我が子が熱中症を疑われる状況になったら、以下の手順で冷静に対応しましょう。

  1. 意識の確認: 名前を呼び、はっきりとした返事があるか。返事が曖昧、あるいは言葉が出ない場合は即座に救急車を呼びます。

  2. 自力で飲めるか: ペットボトルのキャップを自分で開けて飲めるかを確認します。自力で開けられない場合は、脳に影響が出始めている証拠です。

  3. 冷却(外部・内部): 意識がある場合は、涼しい場所へ移動し、首、脇の下、太ももの付け根など太い血管がある場所を氷で冷やします。冷えたスポーツドリンクを少しずつ飲ませるのも有効です。

前編のまとめ

水泳は「見えない汗」を大量にかくスポーツです。

足がつるなどのサインを見逃さず、まずは「熱中症は予防できるもの」という意識を持つことから始めましょう。

後編では、具体的に「何を・いつ・どのくらい」飲めばパフォーマンスが上がるのか、具体的な実践編をお伝えします!

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執筆

牧野 将大

チーフコンディショニングトレーナー / 柔道整復師 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)

ビーチバレー選手、Jr日本代表新体操選手、Fリーガー、野球選手など、競技レベルを問わずアスリートへの施術・トレーニング指導を行う。
ACミランアカデミー愛知にてサッカー指導にも携わる。
痛みの原因を動作から見極め、再発防止とパフォーマンス向上を両立させるコンディショニングを得意とする。

体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景

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