2026.01.24

肩こり・首こり

肩こりからくる頭痛とは?|自律神経まで影響するメカニズムを理学療法士が解説

「頭痛が続くから病院に行ったけど、検査では異常なし」
「薬で一時的に落ち着くけど、結局またぶり返す」
「肩こりがひどい日は、頭も重だるい」

こういう方、実は少なくありません。

頭痛にはさまざまなタイプがありますが、
その中でも多いのが“肩こり(首・肩の緊張)に関連して起こる頭痛”。いわゆる緊張型頭痛です。

さらにやっかいなのは、これが長引くと
眠りが浅い/めまいっぽい/疲れが抜けない/気持ちが落ち着かない
など、自律神経が乱れたような症状につながっていくケースがあること。

この記事では、肩こり頭痛が起こる理由を「姿勢」「筋肉」「血流」「神経」の視点からわかりやすく整理し、
今日からできる対策まで紹介します。

肩こりが原因で頭痛が起こることはある?

結論から言うと、肩こりは頭痛の原因になることがあります。

肩こりに関連する頭痛で代表的なのが、次のような特徴をもつ緊張型頭痛です。

  • 頭全体が締めつけられるような痛み

  • ヘルメットを被ったような圧迫感

  • ズキズキというより「重い・鈍い」痛み

  • 夕方や仕事終わりに起きやすい

  • 首・肩がガチガチのときに出やすい

「まさにこれ…」という方は、肩こり由来の可能性が高いです。

ただし注意:この頭痛は自己判断しないで(危険サイン)

肩こり由来の頭痛が多い一方で、次のような症状がある場合は、迷わず医療機関へ

  • 今までにない突然の激しい頭痛

  • 手足のしびれ、ろれつが回らない、麻痺

  • 意識が飛びそう、意識消失

  • 発熱、首が硬くて曲がらない

  • 視野が欠ける、二重に見える

  • どんどん悪化していく、頻度が急増している

「いつもと違う」「おかしい」と感じたら、早めに相談してください。

なぜ「肩こり→頭痛」が起こるのか?

① 猫背・スマホ首で「頭の重さ」が首肩に集中する

まず大前提として、頭は意外と重いです。
実際はボーリング球ほど…、成人の頭はおよそ4〜6kgあります。

本来、頭は背骨の上に“積み木のように”乗っているのが理想です。
でも猫背やスマホ首になると、頭が前に出ます。

すると何が起きるか。

頭が前に倒れないように、首の後ろ〜肩の筋肉(僧帽筋・後頭部の筋肉など)が、ずっと踏ん張る状態になります。

これが、いわゆる

  • 首が詰まる

  • 肩がすくむ

  • 首の後ろがパンパン

の正体です。

肩こりは“筋肉がサボってる”のではなく、“頑張りすぎている”状態から始まることが多いんですね。

②筋肉が硬くなると「血流」が通りにくくなる(ホースが潰れるイメージ)

首〜肩には、血管や神経が集中しています。
そこに筋肉の硬さが加わると、イメージとしてはホースを外から押し潰して流れを悪くする感じに近い。

筋肉が固まると、

  • 酸素が届きにくい

  • 老廃物がたまりやすい

  • こりがさらに強くなる

という悪循環が起こります。

この状態が続くと、首肩周りには「つらさを強める物質(発痛物質)」が溜まりやすくなり、結果として

  • 頭が締めつけられる

  • 重だるい

  • ぼーっとする

といった頭痛につながりやすくなります。

③実は“血流”だけじゃない。「神経」が刺激され続けるのがつらい

ここが大事です。

肩こり頭痛は「血流が悪くなるから」だけで語られがちですが、
実際には神経が過敏になっていくことも大きいです。

首の周りには、頭痛に関わりやすい神経(後頭部の神経など)や、自律神経の通り道が密集しています。

猫背で首肩が常に緊張していると、神経は

  • 引っ張られる

  • 圧迫される

  • 周囲の緊張で刺激を受け続ける

という状態になりやすい。

結果として、身体は「リラックス(副交感神経)」に切り替わりにくくなり、交感神経が優位な“緊張モード”が続きます。

これが、次の段階—自律神経の乱れっぽい症状につながることがあります。

肩こり頭痛が「自律神経の乱れ」につながる流れ

「自律神経失調症」という言葉は広く使われていますが、ここではわかりやすく
“自律神経が乱れたような状態”と表現します。

肩こり頭痛が長引くと、こんな流れになりやすいです。

① 頭痛が続く → 脳が“警戒モード”に固定される

痛みが続くと、人は無意識に

  • 体に力が入る

  • 呼吸が浅くなる

  • 休んでも回復しにくい

という状態に入ります。

つまり、身体がずっと「戦闘態勢(交感神経優位)」になりやすいです。

② 呼吸が浅くなる → さらにリラックスできなくなる

首肩が固い人ほど、呼吸が浅くなりがちです。

胸や肋骨が動かず、息が上(首周り)に入りやすい。
すると首肩の筋肉はさらに働き、ますます固くなる。

この時点で、
肩こり→頭痛→呼吸浅い→肩こり強化
というループが完成します。

③ 眠りの質が落ちる → 疲労が抜けず、症状が固定化する

交感神経が優位な状態が続くと、

  • 寝つきが悪い

  • 夜中に目が覚める

  • 朝起きてもスッキリしない

が起きやすくなります。

そして日中は

  • だるい

  • 集中できない

  • めまいっぽい

  • 気持ちが落ち着かない

など、“自律神経が乱れてるっぽい”症状が出てくることがあります。

ここまでくると、検査では「異常なし」になりやすく、
「じゃあこの不調は何…?」と不安になってさらに交感神経が上がる、という悪循環も起こりがちです。

こんな症状があるなら「肩こり由来」の可能性が高い

次のような特徴が当てはまるなら、肩こり由来の可能性が高いです。

  • デスクワーク・スマホ時間が長い

  • 夕方〜夜に頭痛が出やすい

  • 頭痛の日は首・肩も硬い

  • 目の疲れ(眼精疲労)も強い

  • 湯船や温めで楽になる

  • マッサージ直後は軽くなるが、すぐ戻る

  • 不眠・疲労感・めまいっぽさも出ている

肩こり頭痛の対処法:結論、“ほぐすだけ”だと戻る

肩こり頭痛でよくあるのが、

  • マッサージでその場は楽

  • でも数時間〜翌日には戻る

というパターン。

なぜ戻るのかというと、根っこが 「頭が前に出る姿勢」「動きの少なさ」 だからです。

ポイントはこの3つ。

  1. 頭の位置を戻す(姿勢)

  2. 動くべき場所を動かす(胸椎・肩甲骨・肋骨)

  3. 首肩が頑張らなくていい身体を作る(支える筋)

順番にいきます。

今日からできるセルフケア(まずはこの3つ)

① 60分に1回「立って3回深呼吸」

これ、地味だけど効きます。

  • 立つ(座りっぱなしを切る)

  • 肩をすくめてストンと落とす

  • 鼻から吸って、口から細く吐く ×3回

「呼吸が入る」だけで、首肩の緊張が落ちやすくなります。

② 肩甲骨を“寄せる”じゃなく“動かす”

肩甲骨は「寄せる」より、上下・内外・回旋と“動くこと”が大事。

痛みが強い日は無理せず、軽く。

③ 胸の前をゆるめて、首肩の仕事を減らす

猫背の人は、胸の前(大胸筋あたり)が硬くなりやすいです。
ここが硬いと、肩が前に巻いて首肩が頑張り続けます。

壁や柱に手を当てて、胸をひらくストレッチを20〜30秒
これだけでも、肩の“前巻き”が落ちやすくなります。

PRO-motion的な根本改善:評価→整える→鍛える

肩こり頭痛を繰り返す方ほど、単に「肩が硬い」ではなく、

  • 胸椎が動かない

  • 肩甲骨が固まっている

  • 肋骨が動かず呼吸が浅い

  • 骨盤の傾きで背中が丸くなる

  • 頭が前に出た姿勢が定着している

など、原因は複合的です。

だからこそ、やることはシンプルにまとめると

  • 評価(姿勢と動きのクセを見える化)

  • 整える(関節位置と可動域を戻す)

  • 鍛える(良い状態をキープする筋と動き方を作る)

この順番が、最短になります。

肩関節のストレッチをする女性とトレーナー

まとめ|肩こり頭痛は「首肩を責める」より、“身体の使い方”を変える

肩こりからくる頭痛は、気合いで耐えるものでも、薬だけで押さえ込むものでもありません。

  • 猫背・スマホ首で頭が前に出る

  • 首肩が頑張り続けて固まる

  • 血流・神経・呼吸に影響が出る

  • 頭痛が起きる

  • 長引くと、自律神経が乱れたような状態にもつながる

だからこそ大事なのは、
「ほぐす」だけじゃなく、「戻らない身体」にすること。

首肩が頑張らなくていい姿勢と動きが手に入ると、
頭痛も、自律神経っぽい不調も、まとめてラクになっていきます。

よくある質問(FAQ)

Q. 肩こり頭痛はストレッチだけで治りますか?

A. 一時的には楽になります。ただ、姿勢や動きのクセが変わらないと戻りやすいです。
ストレッチ+「動かす」「支える」をセットにすると安定します。

Q. 片頭痛と肩こり頭痛の違いは?

A. 緊張型頭痛は締めつけるような鈍い痛みが多く、
片頭痛はズキズキ拍動性で吐き気や光・音過敏を伴うことがあります。
ただし混在することもあるので、判断が難しい場合は専門家へ。

Q. 内科で異常なしと言われたのに、つらいのはなぜ?

A. 検査で異常がない頭痛(一次性頭痛)は珍しくありません。
その中でも、姿勢や筋緊張が関わるタイプは“身体の使い方”を変えることで改善する余地が大きいです。

執筆

片浦 聡司

PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))

名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。

体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景

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