2026.01.17
代表片浦のひとり言
陽と陰
下の娘が成長している。
絶賛イヤイヤ期であり、なんせ激しい。
お兄ちゃんの時はそんなことなかったが、スーパーやショッピングモールでひっくり返っている典型的な子供である。
誰に似たのか分からないが、いちいち激しい。
我が家の太陽のような存在である。
すでにパパは思いのままに操れることを知っている。
子供は人を良く見ていると言われるが、2歳といはいえ侮れない。
アンパンマンだのなんだの色んなキャラクターの絆創膏が売っているが、
彼女の中でそれがファッションの一つらしく、
お兄ちゃんが怪我した後、絆創膏を貼っているのが、羨ましかったのか、私はおでこに貼りたいと。
でもね、これは怪我した時に貼るものだからねと諭すと、
「ねーねーパパ見てーーー、ここ痛いのお」と見えるか見えないかぐらいのちっちゃな虫さされのような腕の傷?を見せてくる。
あたかもとんでもなく痛そうに、もはや女優である。
以前、前職の後輩に女性は全員女優だと思ってくださいねと言われたことがあるが、2歳とはいえすでにもう女優なのだろう。
女性の生態は不思議なものだが、先日アンパンマンミュージアムに行った折、
お兄ちゃんはおもちゃのコーナーをずっと見ているが、
さすがは女子、カバンを見ている。
自分でアンパンのリュックを背負って
「これかわいいーーーーパパーこれ買ってーーー」と。
まだアンパンマンだから可愛いが、これが中高生にでもなればヴィトンやらバーキンやらになるのだろうか。
父親はATMだの召使いだのよく言うものだが、そんな日も近いのか。
逆にそうやって父親という価値が生まれるのであればそれは本望なのか。
とまあギャーギャーやかましい娘ではあるが、なんとも可愛いのである。
陽と陰
前回のコラムが縦と横で、今回は光の濃淡なのか。
今回は陽と陰について論じたい。
陽と陰は、東洋の思想において使用される対立概念で
陽(よう)は、太陽や明るさ、力強さ、外向性を象徴、
一方、陰(いん)は月や暗さ、静けさ、内向性などを象徴する。
今の現代っ子は陽キャラとか陰キャラなんて使い方もされる。
まだ前職の頃であるが、2014年ごろから4年ほど競泳日本代表チームのトレーナーとして関わることがあった。
基本的に、スポーツの現場とはハツラツとして明るいことが多いが、
さすがはTop of top、気合が違う。
やはり、国を背負って金メダルを取りに行くことを目的としているだけあって雰囲気はとても明るい。
テレビがない中でしか分からないが、
送り出しと行って、選手がレースに行く前に、全員が列になってハイタッチで送り出す。
リレーの前は、「ワンパ」と呼ばれる全員で円陣を組み掛け声を出す。
誰かがレースでメダルを取れば、その場スタッフ、選手1人1人と握手をする。
個人競技とはいえ、チームJAPANとして臨む。
本当に応援が力になる、背中を押す、
そんな「陽」な雰囲気がいつも流れている。
前回のWBCなんかを見ていてもペッパーミルパフォーマンスが流行るなど、とても明るい盛り上がった良い雰囲気である。
さあ、そんな遠征が終わると、当時務めていた病院へ戻ってくる。
なんというのだろうか、ギャップなのかなんなのか、
陽のエネルギーを浴びすぎたのか、言葉にできないが、一言で言うと暗い。
ちびまる子ちゃんにたまにどんよりする描写で、
青黒い線みたいなのが出てくるが、まさにそんな感じである。
建物自体がそんな感じであり、中に入るとそんな青黒い線がでゅわーーーんと出てくる。
基本的に、挨拶は蚊が鳴くぐらいの声である。
高校球児並みの挨拶をしているスタッフがいれば確実に浮く。
まだ新人の頃であるが、大きな声で挨拶をしたら、
患者さんに「キャンキャンうるさい!」と言われたことがあった。
しんどい、痛い人の前では、そういう風に接しないといけないのか。
簡単に言うと、なんとも負のエネルギーが漂う「陰」な空間である。
スポーツ現場と違い、治療で積極的なことはしない。
消極的と言うと、かなり語弊があるが、学術的に良い悪いは置いておいて、
スポーツ現場だと骨折していても靭帯が切れていてもプレーをしなければならないケースがあったりする。
テーピングをぐるぐる巻きで出場しようかとか、病院では絶対にそんなことはしない。
全国どこへ行っても標準的な医療を受けられることが日本の医療であり、
あまり何かへんてこりんな突出したことはやらない。
病院の中で転倒しようものなら、光の速さでスタッフが駆けつける。
リスク思考型であり、基本的には当たり障りのない治療を心がける。
当日の整形外科部長が言っていて印象的な言葉は
「勝てない手術はしない」である。
勝てる手術をするではないところが、病院を如実に表現している。
病院があるから病人ができる
基本的に病院にかかると、何かしらの診断名をつけられる。
現在の医療では、診断名がつかない限り、薬でも何でも処方をすることができない。
一過性の風邪なら別に何も思わないが、例えば骨粗しょう症ですなんて言われると、
その次の途端、骨が折れるんじゃないかと心配になってくる。
医者サイドからすれば当たり前のことであるが、
患者サイドからすると病人のレッテルを貼られる感覚になる。
よく膝やら股関節やらの人工関節の手術を受ける患者さんを担当した。
基本的にタイヤ交換みたいなイメージであり、
摩耗した関節の交換によって痛みは消失する。
もちろん傷口自体はかなり大きいので、手術した翌日なんかはめちゃめちゃ痛いが、
2週間もすればかなり落ち着いてくる。
基本的には手術前よりも手術後の方が良くなって帰る手術である。
ただ、如何せん、まず入院患者というところから始まり、
この病院の陰の雰囲気にだんだんと染まっていく。
だいたい人工関節の手術をすると、介護保険が降りる。
介護保険を使って、家の中に手すりをつけたり、
バリアフリーにしたりと何十万円と補助が出るので、
病院側としては当たり前のように介護保険の申請の手続きをするが、
患者さんからすると「介護をされる人」に心もなっていく。
おかしな話であるが、術前は痛みを抱えながらも、何も頼らずに生活していたものの、
術後は痛みがなくなったのにも関わらず、杖をつき介護ベッドを入れ、住宅改修で手すりをつける。
医療から介護へのベルトコンベアーに乗せられる、流れ作業の完成である。
手厚いサポートと言われればそれまでだが、ただ人生の幅を狭めているようなものである。
片浦の担当患者には、病人になるなと口を酸っぱく伝えていたが、この陰のエネルギーとやらはすごい。
病は気からとは良く言ったもんだが、病院があるから病人ができる、
身も心も病人に成り上がる、そんな感じもありそうな気がしている。
陽な病院?
最近ショッピングモールなんかでストレッチ専門店「Drストレッチ」を見かける。
スタッフはだいたいなんかスポーツのユニフォームを着ていて、
待合椅子はサッカーの控え選手が座るようなベンチである。
基本的にはバイトちゃんであるが、結構流行っている。
堅苦しい、胡散臭いあの整体のユニフォームではなく、
そういう雰囲気を陰から陽へ変換したことが流行っている要因なのだろう。
いっそのこと病院もそんな陽な病院を作ったらどうか。
寿司屋のような「へい、いらっしゃい!」から始まり、
トレーニングのため、あえて手すりは持ちにくい手すりにする。
医者もスポーツウェア、会計なんかでプロテインが販売されていたり。
だいたいこういう話をすると「らしさ」を求められる。
国会議員でミニスカートはいかがなものかとか、
高校球児で坊主じゃないのはいかがなものかとか、
そんなことを言われるのかもしれない。
だが本来の医療の目的とは、健康寿命の延伸であり、病人を作ることではないはずである。
だったら蚊が鳴く声の挨拶ではなく、ハイタッチして帰るぐらいの病院の方がいいのではないか?
そもそも病院って名前じゃなく、ウェルネスステーションとかどうか?
また下らない妄想をしてしまった。
ただ伝えたいことは、病人になるなと言うことである。
朱に交われば赤く染まる、病院へ長くいれば病人になるのである。
弊社としては、人生を謳歌できる健康を手に入れられるようなそんな施設を目指したい、心からそう思っている。
そう考えると、うちの娘の貸し出しサービスが一番いいのかもしれない。
陽のエネルギーを存分に浴びせてくれる。
ただひっくり返ると本当に手間がかかる。
1日一緒にいると全てのエネルギーを持っていかれる。
以上、娘を持つ父親の話でした。ちゃんちゃん。
執筆
片浦 聡司
PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))
名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。
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