2026.01.17
代表片浦のひとり言
身体のナビ|理学療法士の武器とは?
私、片浦は理学療法士である。
理学療法士、昔と比べて「あーあーリハビリの人でしょ?」と言われるようになり、
名前の知名度はだんだんと向上しているのを感じる。
ただ依然として、“医学療法士”“理学療養士”、
ひいては“リハビリステーション”といったどこの駅ですか?と言われることも多い。
理学療法士という名前は知っていても、
実際は何をする人なのか、せっかくの独り言なので理学療法士の強みを紹介したい。

理学療法士の武器
強み、いわば職人としての武器であるが、
マッサージ師で言えば、マッサージの腕が武器であり、
鍼灸師であれば鍼が武器になる。
よく理学療法士の武器は何か?と尋ねられると、
決まって「それは目です。」と答えるようにしている。
街を歩いていると、だいたい目の前を歩く人々の歩き方を分析する。
決して意識的ではない。
すでに無意識化の職業病というやつだ。
身体の傾き、軽微なねじれ、左右差、そんなところをただひたすら見ている。
ほぼ趣味の領域である。
歩き方を見ているとだいたいその原因が分かる。
でもって、だいたい痛いところも想像ができる。
この人は、大腿四頭筋が弱ってきているなとか、
この人はお尻の筋肉カチカチで股関節がうまくはまってないなとか、
この人腰痛で苦しんでるんだろうなとか。
そこから、無性に整えたい願望に駆られる。
まずお尻の筋肉をこう緩めて、
股関節を後方にはめて、
そんでもってお尻の筋肉を賦活させて、
そうすれば安定して立つことができる
といったプログラムが即完成する。もはやオタクである。
実際に子供が生まれて、ベビーカーを買いに行った時であるが、
店員さんの肩甲骨が気になりすぎて、話が全く入ってこない。
勝手に分析を始めている自分がいる。
耐えきれず、「肩こりでお困りではないですか?」と聞いてしまった。
つまり理学療法士=身体の分析屋さんであり、
この目を養うために4年間の学生生活を費やすといっても過言ではない。
なんなら手はほぼ使わない。
患者さんの映像だけで、診断名を予想するといった訓練があるぐらいである。

オンリーワンメソッド
ここの筋肉をいち早く緩めてくださいと言われると絶対にマッサージ師には敵わない。
なんなら全身をほぐしてくださいと言われると、1番の苦手分野である。
この目を使ってできること、それは一人一人に合わせたメソッドを提供できる、
つまり何があなたの身体に合っているのかが分かるということである。
これがいいあれがいい、このスクワットが正しい、
こんな新しい器具が出た。巷では色んな情報にありふれている。
令和現在の1日の情報量は平安時代の一生分だとか。
確かにその情報は正しいのかもしれない、
ただそれがあなたに合うかどうかは分からない。
同じ顔がないように同じ身体などない。
年齢も性別も筋肉の硬さもボリュームも、
関節の柔らかさも全部が異なる。
一方の人がやれば正しく鍛えられる方法でも、
もう一方の人がやれば怪我をすることになる、そんなことは往々にしてある。
これまで述べで言うとおそらく何千人の体は見てきたし、
オリンピックの金メダリストから寝たきりの方までを担当してきたが、
1人として全て同じプログラムを組んだことはない。
その方にとっての最適解をいつも模索している。
「わたしたちはナビです」とよく説明をするが、
まずあなたの身体の現在地はどこなのか、
そして目標の目的地を一緒に設定し、
その目的地まで最短かつ安全にたどり着くにはどうすれば良いのかを考えるのが我々の仕事である。
どうやったらその方の潜在能力が1番引き出せるのか、
「身体という資本」を最大化することができるのか、
その素養に関してはAIにも真似できないと確信している。

現在の医療制度の限界
病院のリハビリに勤務していた時の話だが、
担当していた患者さんに「最悪です、椎間板ヘルニアになってしまいました。」と言われたことがある。
私は、「違いますよ、それはあなた自身が作り出したんです。」と答えそうになった。
断言するが、不幸にして、椎間板ヘルニアになることはない。
遺伝的な要因はもちろんゼロではないが、
腰痛にしろ、膝痛にしろ、肩こりにしろ、全て不幸にして起こることはない。
日々の姿勢の悪さ、
身体の硬さ、
筋肉の弱さ、
ちょっとした足の組み方の癖、
その一つ一つが積み重なって起こる「生活習慣病」である。
交通事故のような突発的なものを除いた整形外科の病気全てが、日々の積み重ねである、そこに悲劇のヒロインはいない。
残念ながら整形外科の人間ドックはない、
なぜならレントゲンにもMRIにもCTにも映らない。
ちなみに腰痛の9割以上は画像所見には映らない。
なんなら映ったときには手遅れである。
その当時担当していた、股関節が悪い患者様に言われたこんな一言がある。
「病院は、私たちが手術になるのを待ってる」
現在の医療制度を皮肉にも明確に示している、
納得せざるを得ない一言であったのを今でも明確に覚えている。
その当時の私は「、、、確かに仰る通りですね。」と言い返すことしかできなかった。
現在の制度上、病院のリハビリではこの手遅れになった患者さんしか来ることができない。
ただただ無力さを感じることはしばしばあった。
蛇口の水が出っ放しの中、濡れた床をただ雑巾で拭いているようなものである。
ここで必要なのは蛇口の元栓を閉める作業である。

私たちが思い描く未来
以前の歯医者が虫歯を治す歯医者から予防歯科へ転換したように、
トラブルが起こってから対処する整形外科から予防整形外科へ向かうことを心から願っている。
だいたい予防の話になると、
治療と予防はどっちがお金かかりますか?みたいな行政上の不毛な議論になることが多い。
結局薬局、予防はお金かかるよね、
まあ現状のこのままでいくしかないよねみたいな結論に終始し、
ディスカッションとしては全然面白くない。
経済的な議論に、感情論は入っていない。
「本当の富とは金や銀ではない。健康である。」という言葉がある、ご存知、ガンジーの言葉である。
今、世間を賑わせているガーシーの言葉ではないのでご注意。
いつも通り脱線したが、健康を失った方々と多く接してきた。
想像に容易いとは思うが、その方々は当然、心まで失ってしまう。
そこに人生の彩りはなく、真っ暗な世界にどんどんを突き進んでしまう、そんな方を多く見てきた。
誰もが健康という資産を手に入れ、
人生の物語を彩ることができる未来。
この何気ない健康が当たり前になる未来。
そんな未来を誰もが手に入れる、
最強の目を持った理学療法士が蛇口の元栓を閉める一翼を担えるのではないか、私は強くそう思っている。
余談であるが、娘の名前に「未来(みらい)」と名付けようかと考えたが、片浦に対する画数が悪く断念した。
執筆
片浦 聡司
PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))
名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。
Trial Program
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