2026.01.16
疲れ・だるさ
疲れはなぜ取れないのか?|9割の人が正しくできていない呼吸のお話
最近、1~2日早く寝ても疲れが取れない…
少し前までは、早く寝れば、次の日には疲れが取れて、仕事に集中できたのに…
もういい年だから仕方ないか…
こんな悩みを抱えている方いませんか?
実は、上手く「呼吸」ができていないのが原因かもしれません。
今回は意外と知られていない、呼吸のことを紹介していきます。
呼吸と疲労の関係
そもそも、呼吸とは空気中から酸素を取り入れ、人間の身体にある約37兆個の細胞が元気よく活動するために酸素を送り届ける役割を担っています。
しかし近年、パソコンやスマートフォンの普及により、猫背になる人が増えてきました。
猫背になるとあばら骨がつぶれてしまい、あばら骨の内側にある肺が広がらなくなってしまいます。
肺は上部・中部・下部の3つに分かれますが、
経験上、猫背の人は下部の肺はほとんど使っていないことが多いです。
つまり、猫背になると呼吸が浅くなり、空気中の酸素をうまく取り込めません。
細胞の活動がうまくいかず不調に繋がったり、疲労を訴えはじめてしまうのです。
浅い呼吸では、回数を増やして酸素を取り込もうとします。
しかし、回数を増やす呼吸では、二酸化炭素の放出が多くなり、
酸素と二酸化炭素の割合が崩れ、新たな不調が生じます。
昨年に出された最新の論文によれば、呼吸の回数が増えると脳への酸素供給が約半分まで減少するとされました。
私たち人間は、飲食しなくても2~3日生きられます。
しかし、呼吸をしないと10分も生きられません。
普段当たり前に行っている呼吸は、人間が生きていくうえでそれほどまでに重要な運動なのです。

バンザイ寝の人は注意
皆さん、朝起きたらバンザイ寝になっていることありませんか?
夜中に気付いたら手がだるく、全く力が入らずに、
反対側の手を使って、寝ぼけながら無理やり戻す。
朝起きたら手が重だるーーーくなって、ピリピリとしびれまで、、、
そんな経験ある方も多いのではないでしょうか?
猫背の状態だと、呼吸が浅くなってしまいますとお伝えしましたが、
寝てる間も体は酸素を求めて、なんとか息を吸おう吸おうとしています。
そこで、バンザイをすることで、なんとかあばら骨を広げているわけです。
手を挙げると、あばら骨が広がります。
体が酸素を求めて、なんとかバンザイしてまで息を吸おうとしてたということですね。
つまりバンザイ寝は呼吸が浅いサインです。

呼吸は1日に約〇万回!?
突然ですが、皆さんは1日に何回呼吸しているかご存知でしょうか?
正解は、約2万回と言われています。
2日に2万回もしている呼吸の仕方が悪かったら、どうなるでしょうか?
約37兆個の細胞に2万回分も酸素をうまく取り込めなくなると、どんどん疲れが蓄積されてきてしまうのです。
正しい呼吸とは
呼吸で一番大事なのは「横隔膜」をしっかり使うこと。
お肉で言うとハラミですね!
横隔膜は胸とお腹の間にある薄いドーム状の筋肉ですが、
ほとんどの人がカチカチに固まってしまい、上手く動かすことができていません。
横隔膜がうまく動かないと、深い呼吸をすることは不可能です。
横隔膜が収縮して弛緩して、
柔軟に活動することで、
深い呼吸をすることができ、
たくさんの酸素を体内に取り入れられることができます。

あなたはちゃんと呼吸できていますか?呼吸テスト

目標:40秒
時間が20秒以下の人は、理想的な呼吸ではないと言われています。
40秒以上であると、脳と体に適切な酸素が送り届けられいる状態です。
呼吸も楽に行えており、免疫力やストレス耐性も高い状態と言われています。
テストの際は、くれぐれも無理のない範囲で!
呼吸トレーニング3選
呼吸トレ①背骨ストレッチ
あばら骨は、実は背骨にくっつきます。
背骨が固まってしまうと、同時にあばら骨の動きも悪くなってしまうため、
まずは背骨の柔軟性を出していきます。

呼吸トレ②腹筋使って深呼吸
2つ目は腹筋も使いながら深呼吸していくトレーニング。
腹筋を使うことで、横隔膜がしっかり働いた深い呼吸ができるようになります。

呼吸トレ③バンザイ運動
最後は、2つ目のトレーニングの発展版。
腹筋も使って、さらに“あばら骨1本1本を広げていく”トレーニングです。

まとめ|疲れが取れない人ほど「呼吸」を見直すべき理由
・早く寝ても疲れが取れない
・年齢のせいだと感じている
・朝からだるい、集中力が続かない
こうした不調の多くは、**体力や根性の問題ではなく「呼吸の質」**が原因かもしれません。
現代人は
-
猫背
-
スマホ・PC中心の生活
-
浅く速い呼吸
によって、横隔膜がうまく使えず、酸素を十分に取り込めない状態になっています。
その結果、
-
細胞に酸素が届かない
-
脳への酸素供給が低下する
-
回復力・集中力・ストレス耐性が落ちる
という「疲れが抜けない体」が作られてしまうのです。
また、
-
バンザイ寝
-
朝の手のだるさ・しびれ
は、体が必死に酸素を求めているサイン。
見逃してはいけない“呼吸のSOS”です。
呼吸は1日約2万回行われる、
人間にとって最も重要な「運動」。
だからこそ、
✔ 横隔膜を使った深い呼吸
✔ あばら骨・背骨がしっかり動く体
✔ 無理のない呼吸パターン
を取り戻すだけで、
疲れにくさ・回復力・集中力は大きく変わります。
まずは呼吸テストで今の状態を知り、
できるところから呼吸トレーニングを始めてみてください。
「疲れが取れない」は、
年齢の問題ではなく“体の使い方”の問題かもしれません。
執筆
片浦 聡司
PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))
名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。
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