2026.01.27

肩こり・首こり

【理学療法士が解説】スマホ首(ストレートネック)とは?セルフチェックと改善法

スマホを見ていると、
「首が重い」「肩がこる」「最近、頭痛が増えた」
そんな違和感を感じていませんか?

それ、いわゆる「スマホ首」かもしれません。

スマホ首は、医学的な病名ではありませんが、
スマートフォンを長時間使う生活習慣によって
首に過剰な負担がかかり続けている状態を指す言葉です。

最近では「ストレートネック」という言葉と一緒に語られることも多く、
不安になって検索された方も多いのではないでしょうか。

ただし大切なのは、
スマホ首=首だけの問題ではないということ。

この記事では、

  • スマホ首とは何か

  • なぜ首がつらくなるのか

  • 自分でチェックする方法

  • 今日からできる現実的な対策

を、理学療法士の視点でできるだけ分かりやすく解説します。

まず結論:スマホ首は「首だけ」の問題じゃない

スマホ首で首や肩がつらい人ほど、
実は首以外のところにも共通した特徴があります。

それは──
胸が丸まり、肩が前に出て、骨盤が崩れていること。

首は、もともと頭(約4〜6kg)を支えるために
緩やかなカーブを描いています。
しかし姿勢が崩れると、このカーブが保てなくなり、
首の筋肉だけが無理をして支える状態になります。

つまり、

  • 首が悪い → ✕

  • 首に頑張らせている姿勢が続いている → 〇

というケースがほとんど。

だから、
首を揉んだり伸ばしたりして一時的に楽になっても、
姿勢の土台が変わらなければ、また戻るのです。

スマホ首(ストレートネック)とは?原因を1分で理解

スマホ首とは?

スマホ首とは、
スマートフォンやパソコンを長時間見ることで
うつむいた姿勢が習慣化し、首に負担が集中している状態を指します。

一方で「ストレートネック」は、
レントゲンなどで見たときに
本来あるはずの首のカーブが失われている状態を指します。

整理すると

  • スマホ首=生活習慣・姿勢の問題(原因)

  • ストレートネック=首の配列の変化(結果)

という関係です。

なぜスマホで首がつらくなるのか

人の頭は約4〜6kgありますが、
下を向く角度が大きくなるほど、首への負担は増えます。

  • 15度下を向く → 約12kg

  • 30度下を向く → 約18kg

  • 60度下を向く → 約27kg

スマホを見ている時間が長いほど、
この負担を何時間も首が受け続けている状態になります。

症状チェック:当てはまると要注意

スマホ首では、次のような症状がよく見られます。

  • 首や肩のこり・重だるさ

  • 頭痛、目の疲れ

  • 背中の張り、呼吸の浅さ

  • 首を反らすとつまる感じがする

また、次の症状がある場合は注意が必要です。

  • 手のしびれが続く

  • 痛みが強く、夜眠れない

  • めまいや吐き気が頻繁に出る

こうした場合は、
セルフケアだけで無理に何とかしようとせず、整形外科などの医療機関での評価をおすすめします。

スマホ首 1分セルフチェック

「スマホ首かも?」と思ったら、まずは今の首の位置を確認してみましょう。
道具なし・1分でできます。

チェック①|壁チェック(30秒)

shisei_check
  1. 壁に かかと・お尻・肩甲骨 をつけて立つ

  2. そのまま 後頭部が自然に壁につくか を確認

結果の目安

  • ○ 無理なくつく → 大きな問題は出にくい

  • △ つくが苦しい/胸が張る → 姿勢の崩れあり

  • × つかない → スマホ首の可能性が高い

※無理に顎を引いたり、反らしてつけないこと。

チェック②|横から写真チェック(30秒)

  1. 横向きで自然に立った状態をスマホで撮影

  2. 耳たぶの位置肩の位置を比べる

結果の目安

  • 耳が肩の真上 → OK

  • 耳が肩より前 → 首が前に出ている状態

このタイプは
首を揉む・伸ばすだけでは戻りやすいのが特徴です。

今日からできる改善:まずはこの3つ

「完璧な姿勢」を目指す必要はありません。
まずは首にかかる負担を減らすことから始めましょう。

① スマホは「目線に上げる」より【肘を支える】

よく言われる
「スマホを目の高さに上げましょう」は正論ですが、
腕が疲れて続かない人がほとんど。

スマホを持つ肘を

  • 反対の手で支える
  • テーブルや膝に軽く乗せる

首を起こすより、腕を楽にする
これだけで、うつむき角度は自然に減ります。

② 30分に1回、首を回すより【胸を開く】

首がつらいと、つい「首を回す」「首を伸ばす」
をやりがちですが、やりすぎると逆効果なことも。

まずは首の土台を整えます。

簡単リセット

  • 背もたれに軽くもたれる

  • 両肘を少し後ろに引き、胸をふわっと開く

  • 深呼吸を2〜3回(10〜15秒)

首を触らなくても、首の緊張が抜ける人が多い方法です。

③ 夜は「枕調整」より【寝る前1分リセット】

「枕が合わないのかな?」と悩む人は多いですが、
実はその前にやってほしいことがあります。

寝る前1分

  • 仰向けで寝る

  • 後頭部を枕に軽く預ける

  • 首の力を抜く意識で、深呼吸を3回

ポイントは力を抜いて“預ける”

首がリラックスした状態で眠れると、朝の重だるさが変わります。

ストレッチは「やりすぎ注意」:効く人・効かない人の違い

スマホ首対策として
「首のストレッチ」を続けている方も多いと思います。

ただ、現場でよく見るのは──
ストレッチを頑張っているのに、すぐ戻る人です。

なぜ効かないことがあるのか?

理由はシンプルで、

  • 首がつらい

  • でも原因は 胸・肩・座り方(骨盤)

  • 首だけを動かしても、負担のかかる姿勢は変わらない

というケースが多いから。

ストレッチが「効く人」

  • 首の張りが一時的な疲労

  • 姿勢の崩れが軽い

  • デスクワークやスマホ時間が短め

ストレッチが「効きにくい人」

  • すぐ首が重くなる

  • デスクワーク・スマホ時間が長い

  • 胸が丸まり、肩が前に出ている

  • 壁チェックで後頭部がつかない

このタイプの人は、
首を伸ばす前に、姿勢の土台を整える必要があります。

注意したいポイント

  • 強く揉む・ゴリゴリ押す → ❌

  • 痛いのを我慢して動かす → ❌

  • いきなり首トレーニング → ❌

首はとても繊細な場所。
「ほぐす」「鍛える」より先に、“負担を減らす”ことが大切です。

受診の目安 & PRO-motionの考え方(評価 → 整える → 鍛える)

こんな場合は医療機関へ

次の症状がある場合は、
セルフケアにこだわらず、早めに受診をおすすめします。

  • 手のしびれが続く/力が入りにくい

  • 痛みが強く、夜眠れない

  • めまい・吐き気が頻繁に出る

  • 事故後(むち打ちなど)の首の痛み

これらは、
頸椎症・椎間板ヘルニアなどの評価が必要なケースがあります。

PRO-motionが考えるスマホ首への向き合い方

私たちは、スマホ首を
「首をどうするか」だけで考えません。

評価 → 整える → 鍛える
この順番を大切にしています。

① 評価

  • 立ち姿勢・座り方

  • 首だけでなく、胸・肩・肩甲骨・骨盤

  • スマホやデスクワーク時のクセ

? どこに負担が集中しているかを見極めます。

② 整える

  • 硬くなっている部分を必要最小限でリセット

  • 首を無理に触らないケースも多い

③ 鍛える

  • 正しい姿勢を「意識しなくても」保てるように

  • 首が頑張らなくていい身体の使い方を作る

この流れで行うことで、
「その場は楽だけど戻る」を防ぎます。

まとめ|スマホ首は“生活の中で作られ、生活の中で変えられる”

  • スマホ首は首だけの問題ではない

  • ストレッチだけでは戻ることがある

  • まずは負担を減らす工夫から

  • それでも繰り返すなら「評価」が近道

「とりあえず我慢する」
「とりあえず首を揉む」
その繰り返しから抜け出したい方は、
一度、自分の姿勢や使い方を客観的に見ることが大切です。

執筆

片浦 聡司

PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))

名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。

体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景

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