2026.01.07

疲れ・だるさ

【理学療法士が解説】疲れない体づくりとは?|疲労の正体と回復力を決める3つの要素

「寝ても疲れが抜けない」
「休みの日なのに、体が重い」
「気合いで乗り切っているけど、夕方になるとガクッと落ちる」

こうした“疲れやすさ”は、年齢や体力のせいだけではありません。
むしろ多くの人が見落としているのは、**疲労そのものより「回復力(回復できる仕組み)」**です。

疲れない体づくり=「一切疲れない体」ではなく、
疲れても回復して、翌日に持ち越さない体をつくること。

そのためにはまず、

  • 疲労にはいくつか種類があること

  • 休むだけでは回復しない疲れがあること

  • “回復力”を左右するポイントが決まっていること

を整理する必要があります。

この記事では理学療法士の視点から、疲労の正体をわかりやすく分解し、
回復力を決める「3つの要素」を軸に「疲れない体づくり」の考え方を解説します。
「何から見直すべきか」がクリアになるはずです。

そもそも「疲れない体」とはどういう状態か?

「疲れない体」と聞くと、
・いつも元気
・体力がある
・バテない
そんなイメージを持つ人が多いかもしれません。

でも、理学療法士の視点で見ると、それは少し違います。

疲れない=疲労がゼロ、ではない

人は生きている以上、
仕事でも家事でも運動でも、必ず疲れます。
疲労そのものをゼロにすることは不可能です。

大切なのは、疲れたあとに「ちゃんと戻れるかどうか」

つまり、回復できる体かどうかです。

・朝起きたときに体が軽い
・昨日の疲れを引きずらない
・同じ作業をしても以前より楽に感じる

こうした状態こそが、「疲れない体」の正体です。

疲れやすい人が誤解しがちな3つのこと

疲れやすさに悩む人ほど、次のような誤解をしていることが多くあります。

① 休めば回復すると思っている
しっかり寝ているのに疲れが抜けない場合、
「休み方」ではなく「回復できない体の状態」そのものが問題になっていることがあります。

② 年齢や体力のせいにしてしまう
「もう若くないから仕方ない」と思われがちですが、
実際には動き方・使い方の問題で疲れが溜まっているケースが非常に多いです。

③ 筋力=スタミナだと思っている
筋肉量が多くても、
血流や神経の切り替えがうまくいかなければ、疲れは抜けません。

疲れない体とは「回復がうまく回る体」

疲れない体とは、
・頑張らなくても
・気合いを入れなくても
・特別なことをしなくても

回復が自然に回る体です。

その回復を支えているのが、
次の章で解説する「疲労の正体」と深く関係しています。

疲れはなぜ溜まる?疲労の正体を整理する

「疲れた」と一言で言っても、
その正体はひとつではありません。

実は、疲労はいくつかの要素が重なって感じられるものです。
ここを整理しないまま対処しようとすると、
・休んでも抜けない
・何をしてもスッキリしない
という状態に陥りやすくなります。

疲労は「1種類」ではない

理学療法士の臨床現場でよく感じるのは、
「疲労=筋肉の疲れ」だと思われている方が非常に多いということです。

実際には、疲労は大きく分けて次の3つが関係します。

① 肉体的疲労
筋肉や関節にかかる負担による疲労。
同じ姿勢が続いたり、特定の部位だけを使い続けたりすると起こりやすくなります。

② 神経的疲労
自律神経や脳の緊張による疲労。
長時間のデスクワーク、情報過多、切り替えのない生活で溜まりやすいのが特徴です。

③ 精神的疲労
ストレスや緊張、不安などによる心の疲れ。
これも神経系と密接につながっています。

多くの場合、
これらが単独で起こることはほとんどありません。
重なり合った結果として「慢性的な疲れ」が生まれます。

現代人が特に溜めやすいのは「回復できない疲労」

現代の生活で特徴的なのは、
「一時的な疲れ」よりも
回復のスイッチが入らない疲労が増えていることです。

・長時間同じ姿勢で動かない
・体は疲れているのに、頭は休まらない
・オンとオフの切り替えがない
・使われない筋肉が増えている

こうした状態では、
寝ていても神経が休まらず、血流も十分に回らないため、
疲労が“抜ける前に次が乗ってくる”悪循環に陥ります。

回復力を決める「3つの要素」

疲れない体づくりで本当に大切なのは、
「何をするか」よりも
回復が回る条件がそろっているかどうかです。

理学療法士の視点で整理すると、
回復力は次の3つの要素でほぼ決まります。

① 血流が巡る体(回復物質が届く・老廃物が出る)

疲労回復は、
・酸素
・栄養
・ホルモン
・回復に関わる物質

血液によって運ばれることで進みます。

しかし、
・長時間同じ姿勢
・使われない筋肉
・動きの偏り

があると、血流は滞ります。

その結果、
疲労物質が溜まりやすく、回復物質が届きにくい体になります。

「動いていないのに疲れる」人ほど、
実はこの血流の問題を抱えていることが多いです。

② 無理のない動き方(疲れを“溜めない”使い方)

疲れは、
「たくさん動いたから」だけで溜まるわけではありません。

・一部の筋肉だけに頼っている
・関節に無理な負担が集中している
・姿勢や動作にクセがある

こうした使い方の偏りがあると、
同じ作業量でも疲労は何倍にもなります。

逆に言えば、
体をうまく使えている人は
特別な体力がなくても疲れにくいのです。

③ 神経が切り替わる余白(回復モードに入れるか)

見落とされがちですが、
疲労回復において神経の切り替えは非常に重要です。

・常に考え事をしている
・情報に触れ続けている
・緊張が抜けない

こうした状態では、
体は休んでいても回復モードに入れません

疲れない体とは、
「頑張る神経」から
「回復する神経」へ
自然に切り替えられる体でもあります。

疲れない体づくりで一番大事なのは「順番」

疲れない体をつくろうとして、
多くの人がいきなり「何をするか」を探します。

・運動しなきゃ
・ストレッチがいいらしい
・睡眠を改善しよう

どれも間違いではありません。
ただし——順番を間違えると効果が出ません。

多くの人がやってしまう“間違った順番”

疲れやすい人ほど、次の流れに陥りがちです。

  1. とりあえず鍛える

  2. きつくなったらストレッチ

  3. ダメなら休む

この順番だと、
・疲れは一時的に軽くなる
・でもすぐ元に戻る
というループから抜け出せません。

理由はシンプルで、
疲れが溜まる原因がそのまま残っているからです。

疲れない体づくりの正しい考え方

理学療法士の視点で見ると、
疲れない体づくりは次の順番で考える必要があります。

① 今の体の状態を知る
・どこに負担が集中しているか
・どこが使われていないか
・なぜ疲れが溜まりやすいか

② 疲労を生む原因を減らす
・無理な姿勢
・偏った使い方
・緊張が抜けない状態

これを先に整えます。

③ 回復できる使い方を身につける
回復力が働く状態をつくってから、
必要な刺激を入れていく。

この順番を守るだけで、
「同じ生活なのに疲れにくくなる」ことが起こります。

「頑張らないと維持できない体」は長続きしない

疲れない体とは、
・毎日気合いを入れなくても
・特別なことをしなくても
・無意識でも

回復が回る体です。

逆に言えば、
頑張らないと保てない状態は、
どこかに無理があります。

「疲れない体」を目指す人が最初にやるべきこと

もし今、
・疲れが抜けない
・年々回復が遅くなっている
・何をしてもスッキリしない

と感じているなら、
最初に見直すべきは
体力や根性ではありません。

  • 疲れを生んでいる原因は何か

  • 回復を邪魔している要素は何か

  • 体は回復モードに入れているか

ここを整理することが、
疲れない体づくりのスタートラインです。

まとめ|疲れない体づくりで大切なこと

疲れない体づくりとは、
「疲れないように我慢すること」でも
「体力を無理につけること」でもありません。

疲れても回復できる体をつくること。
それが本質です。

  • 疲労にはいくつかの種類があり、重なって溜まる

  • 休むだけ・頑張るだけでは回復しない疲れがある

  • 回復力は「血流」「体の使い方」「神経の切り替え」で決まる

  • 方法よりも、整える→使う→回復するという順番が重要

もし
「寝ても疲れが抜けない」
「年々回復が遅くなっている」
と感じているなら、
それは年齢や気合いの問題ではありません。

体の回復がうまく回らない状態になっているだけです。

疲れない体づくりは、
特別なことを始めなくても、
まず「今の体の状態を知る」ことから始まります。

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