「猫背、治したい」と思って背中を伸ばしてみても、気づくとすぐ戻ってしまう。
そんな経験、ありませんか?
実は猫背は、気合いで胸を張るほど長続きしません。
多くの場合、原因は「背中が丸い」だけではなく、
- 胸や肩まわりが硬くて“開けない”
- 背中・お腹・お尻が弱くて“支えられない”
- デスクワークやスマホで“戻る動き”が習慣化している
この3つが重なって、猫背が“いつもの姿勢”として固定されてしまいます。
この記事では、理学療法士の視点で、自宅でできる猫背改善トレーニング7選を厳選しました。
「猫背を治したい。でも続かない」
そんな方こそ、今日からできるやり方で一緒に整えていきましょう。
まず結論:猫背は「伸ばす」より“支える力”で治る
猫背を治そうとして、
- 胸を張る
- 背筋をピンと伸ばす
- 肩甲骨をギュッと寄せる
こうしたことを意識した経験がある方は多いと思います。
しかし、その場では良くなった感じがしても、
気づくと元に戻っている――これが猫背改善で最も多いパターンです。
なぜ戻ってしまうのか。
それは、猫背の正体が
「背中が丸い姿勢」ではなく、
その姿勢しか“支えられない身体の状態” になっているからです。
猫背は「サボり」ではなく「身体の都合」
猫背の人は、怠けているわけでも、意識が低いわけでもありません。
- 胸や肩まわりが硬く、そもそも開きづらい
- 背中やお腹の筋肉が弱く、正しい姿勢をキープできない
- デスクワークやスマホで、丸まる動きが身体に染みついている
こうした状態が重なると、
猫背のほうが“楽で安定する姿勢” になってしまいます。
この状態で無理に姿勢を正そうとすると、
- 腰を反らして頑張る → 反り腰になる
- 首や肩に力が入る → 首こり・肩こりが悪化
- 数分で疲れて、結局戻る
といった悪循環に陥りやすくなります。
大事なのは「正しい姿勢」より「戻らない身体」
猫背改善で目指すべきゴールは、
常に意識している姿勢 ではありません。
理想は、
何も考えなくても、自然と崩れにくい状態
そのために必要なのが、
- 丸まりやすい所を“整える”(ストレッチ・可動性)
- 姿勢を支える筋肉を“鍛える”(インナーマッスル・背中・お尻)
- 日常動作の中で“定着”させる(座り方・使い方)
この順番です。
猫背のタイプ別|あなたはどれ?(対策は同じじゃない)
ひと口に「猫背」と言っても、
丸くなっている場所・崩れ方 にはいくつかのパターンがあります。
タイプを間違えると、
・効かないトレーニングを続けてしまう
・逆に別の不調(反り腰・首こり)を作ってしまう
ことも少なくありません。
まずは、自分がどのタイプに近いかを確認してみましょう。
① 背中猫背(いわゆる王道の猫背)
特徴
- 背中(胸椎)が丸く、背中全体が落ちている
- 肩が前に出て、胸が閉じている
- デスクワーク・スマホ時間が長い人に多い
起こりやすい不調
- 肩こり・首こり
- 呼吸が浅い
- 背中のハリ、疲れやすさ
? このタイプは
「背中を伸ばす」+「肩甲骨を正しく動かす」
ことがポイントになります。
② 首猫背(頭が前に出るタイプ)
特徴
- 背中よりも「頭だけ」が前に突き出ている
- 顎が前に出やすく、スマホ首になりやすい
- 壁に立つと後頭部がつかない
起こりやすい不調
- 首の痛み、頭痛
- ストレートネック
- 目の疲れ、集中力低下
? このタイプは
首を引く意識だけではNG。
背中・肋骨・お腹まで含めて支え直す必要があります。
③ 巻き肩セット型(肩が内に巻く)
特徴
- 猫背+肩が内側に巻き込まれている
- 腕が前に垂れ、手の甲が内を向きやすい
- 胸の筋肉が常に縮こまっている
起こりやすい不調
- 肩の前側の痛み
- 四十肩・五十肩の前段階
- 呼吸が浅い
? このタイプは
胸を開くストレッチ+肩甲骨を“外に使う”筋トレ
が非常に重要です。
④ S字崩れ型(猫背+反り腰が同時にある)
特徴
- 背中は丸いのに、腰は反っている
- 「姿勢を正そう」とすると腰がつらい
- 女性・長時間座位の人に多い
起こりやすい不調
? このタイプは要注意。
猫背だけ直そうとすると、反り腰が悪化します。
1分セルフチェック|あなたの猫背はどこから来ている?
猫背改善で遠回りしないために、
まず 「どこが崩れているか」 を確認しましょう。
難しい検査や道具は不要です。
自宅で今すぐできるチェックを2つ紹介します。
チェック①|壁チェック(立った姿勢)
やり方
- 壁にかかと・お尻・背中をつけて立つ
- そのまま「いつもの姿勢」で力を抜く
- 後頭部が壁につくか確認
チェックポイント
- 後頭部が自然につく
- 腰と壁のすき間は手のひら1枚程度
判定の目安
- ✔ 後頭部がつかない → 首猫背タイプ
- ✔ 背中が広く壁から離れる → 背中猫背タイプ
- ✔ 腰のすき間が大きすぎる → 反り腰併発タイプ
※ 無理に頭を押しつけたり、腰を反らせるのはNGです。

チェック②|座り姿勢チェック(デスクワーク想定)
やり方
- 椅子に浅く座らず、骨盤を立てて座る
- 背もたれに頼らず30秒キープ
- 呼吸のしやすさ・疲れ方を感じる
チェックポイント
判定の目安
- ✔ すぐ背中が丸まる → 支える筋力不足
- ✔ 腰がつらくなる → 反り腰+体幹弱化
- ✔ 肩が前に落ちる → 巻き肩セット型

自宅でできる”猫背改善”トレーニング7選
STEP1|まず「整える」──丸まりやすい所をほどく
① 胸をひらくストレッチ(大胸筋)
目的
胸の前が縮んだままだと、肩が前に引っ張られ、
どんなに背中を鍛えても猫背に戻ります。
やり方
- 壁や柱の横に立つ
- 片手を肩の高さで壁につける
- 身体をゆっくり反対側にひねる
ポイント
- 胸の前〜肩の前がじんわり伸びる感覚
- 腰を反らせて逃げない
回数
② 背中を起こすストレッチ(胸椎伸展)
目的
猫背の“本丸”は背中(胸椎)。
ここが動かないと、首か腰が代わりに頑張ってしまいます。
やり方
- タオルを筒状に丸める
- 仰向けに寝て、肩甲骨の下あたりに置く
- 両手を頭の上に伸ばし、ゆっくり深呼吸
ポイント
- 「反る」よりも「胸がひらく」感覚
- 息を吐くほど、背中が床に沈むイメージ
回数
③ 首の前を休ませるリセット(首猫背対策)
目的
猫背の人は、首の前側が常に緊張しています。
ここを休ませるだけで、頭の位置が戻りやすくなります。
やり方
- 椅子に座って背筋を軽く伸ばす
- 顎を軽く引き、首の後ろを長くする
- そのまま鼻から息を吸い、口から吐く
ポイント
回数
STEP2|鍛える──姿勢を“支える力”をつくる
④ 肩甲骨を“下げて寄せる”トレーニング(下部僧帽筋)
目的
猫背の人は、肩甲骨を「寄せる」ことはできても、
「下げながら使う」ことが苦手 なケースが多いです。
ここが働くと、
やり方
- うつ伏せで寝る(おでこはタオルに乗せる)
- 両腕をY字に広げる
- 肩をすくめず、肩甲骨を斜め下に寄せて腕を少し浮かす
ポイント
- 首に力を入れない
- 肩甲骨が“背中の下側”に集まる感覚
回数
⑤ 肩甲骨を“外に使う”トレーニング(前鋸筋)
目的
巻き肩・猫背の人は、
肩甲骨が背中から浮き、前に張り付いた状態になりがち。
前鋸筋が働くと、
肩甲骨が肋骨の上をスムーズに滑る ようになります。
やり方(壁バージョン)
- 壁に向かって立ち、両手を壁につく
- 肘を伸ばしたまま、背中を丸める
- そこから肩甲骨をゆっくり元に戻す
ポイント
- 肘は曲げない
- 「腕」ではなく「肩甲骨」を動かす意識
回数
⑥ お腹で支える体幹トレーニング(デッドバグ)
目的
猫背+反り腰がある人は特に重要。
背中や腰で姿勢を支えず、お腹で支える感覚 を作ります。
やり方
- 仰向けで寝て、両手両脚を天井へ
- 片手と反対側の脚をゆっくり下ろす
- 腰が反らない位置で止めて戻す
ポイント
回数
STEP3|定着させる──日常で“戻らない姿勢”を作る
⑦ 椅子で1分|骨盤→肋骨→頭 リセット

目的
座り姿勢で猫背に戻らない“基準位置”を身体に覚えさせる。
やり方
- 椅子に深く座り、坐骨(お尻の下の骨)を感じる
- 骨盤を軽く立てる(反らしすぎない)
- 肋骨を骨盤の真上に重ねる
- 最後に、頭をふわっと上に乗せる
ポイント
- 胸を張らない
- 腰を反らさない
- 「積み木を縦に積む」イメージ
時間
PRO-motionの考え方|評価 → 整える → 鍛える
PRO-motionでは、猫背を
「姿勢そのものの問題」ではなく、「身体の使い方の結果」 として捉えています。
猫背の多くは、単に背中が丸まっているのではなく、
- 立つ・座るときの荷重の偏り
- 肩甲骨と胸郭がうまく連動していない状態
- 骨盤が安定せず、上半身を支えきれていない状態
といった要素が重なって起こります。
つまり、
姿勢は“原因”ではなく“結果” であり、
いくら背中を伸ばしても、身体の使い方が変わらなければ元に戻ってしまいます。
そのためPRO-motionでは、まず
「どこが原因で崩れているのか」を評価することを最も重視しています。
- どのタイプの猫背なのか
- どこが硬く、どこが使えていないのか
- 日常動作の中で、どこで崩れているのか
これを明確にしたうえで、
- 整える(必要最小限で、動ける状態をつくる)
- 鍛える(支える力を、正しい場所に入れる)
- 日常に落とす(家でも続けられる形にする)
という流れで進めていきます。
自己流でストレッチや筋トレを続けても変わらなかった方ほど、
「評価が変わるだけで、やることが一気にシンプルになる」
というケースは少なくありません。
初回では、
あなたの猫背タイプを特定 → 必要最小限のケア → 自宅で続くメニュー化
までを一貫して行い、
「その場だけ良くなる」ではなく
戻りにくい身体づくり を目指しています。

まとめ
猫背は、
「伸ばすだけ」「意識するだけ」では高確率で戻ります。
大切なのは順番です。
- まずチェックして、自分の崩れ方を知る
- 硬いところを整える
- 支える筋肉を鍛える
- 日常動作の中で定着させる
この流れで進めることで、
無理なく、自然に姿勢が変わっていきます。
猫背改善は、頑張り続けるものではなく、
「正しい身体の使い方を覚えるプロセス」。
できることから、少しずつ。
今日の1分が、明日の姿勢を変えていきます。