2026.01.07

姿勢の歪み・猫背

【理学療法士監修】猫背の治し方|自宅でできる“猫背改善”トレーニング7選

「猫背、治したい」と思って背中を伸ばしてみても、気づくとすぐ戻ってしまう。
そんな経験、ありませんか?

実は猫背は、気合いで胸を張るほど長続きしません。
多くの場合、原因は「背中が丸い」だけではなく、

  • 胸や肩まわりが硬くて“開けない”
  • 背中・お腹・お尻が弱くて“支えられない”
  • デスクワークやスマホで“戻る動き”が習慣化している

この3つが重なって、猫背が“いつもの姿勢”として固定されてしまいます。

この記事では、理学療法士の視点で、自宅でできる猫背改善トレーニング7選を厳選しました。

「猫背を治したい。でも続かない」
そんな方こそ、今日からできるやり方で一緒に整えていきましょう。

まず結論:猫背は「伸ばす」より“支える力”で治る

猫背を治そうとして、

  • 胸を張る
  • 背筋をピンと伸ばす
  • 肩甲骨をギュッと寄せる

こうしたことを意識した経験がある方は多いと思います。

しかし、その場では良くなった感じがしても、
気づくと元に戻っている――これが猫背改善で最も多いパターンです。

なぜ戻ってしまうのか。

それは、猫背の正体が
「背中が丸い姿勢」ではなく、
その姿勢しか“支えられない身体の状態” になっているからです。

猫背は「サボり」ではなく「身体の都合」

猫背の人は、怠けているわけでも、意識が低いわけでもありません。

  • 胸や肩まわりが硬く、そもそも開きづらい
  • 背中やお腹の筋肉が弱く、正しい姿勢をキープできない
  • デスクワークやスマホで、丸まる動きが身体に染みついている

こうした状態が重なると、
猫背のほうが“楽で安定する姿勢” になってしまいます。

この状態で無理に姿勢を正そうとすると、

  • 腰を反らして頑張る → 反り腰になる
  • 首や肩に力が入る → 首こり・肩こりが悪化
  • 数分で疲れて、結局戻る

といった悪循環に陥りやすくなります。

大事なのは「正しい姿勢」より「戻らない身体」

猫背改善で目指すべきゴールは、
常に意識している姿勢 ではありません。

理想は、

何も考えなくても、自然と崩れにくい状態

そのために必要なのが、

  1. 丸まりやすい所を“整える”(ストレッチ・可動性)
  2. 姿勢を支える筋肉を“鍛える”(インナーマッスル・背中・お尻)
  3. 日常動作の中で“定着”させる(座り方・使い方)

この順番です。

猫背のタイプ別|あなたはどれ?(対策は同じじゃない)

ひと口に「猫背」と言っても、
丸くなっている場所・崩れ方 にはいくつかのパターンがあります。

タイプを間違えると、
・効かないトレーニングを続けてしまう
・逆に別の不調(反り腰・首こり)を作ってしまう
ことも少なくありません。

まずは、自分がどのタイプに近いかを確認してみましょう。

① 背中猫背(いわゆる王道の猫背)

特徴

  • 背中(胸椎)が丸く、背中全体が落ちている
  • 肩が前に出て、胸が閉じている
  • デスクワーク・スマホ時間が長い人に多い

起こりやすい不調

  • 肩こり・首こり
  • 呼吸が浅い
  • 背中のハリ、疲れやすさ

? このタイプは
「背中を伸ばす」+「肩甲骨を正しく動かす」
ことがポイントになります。

② 首猫背(頭が前に出るタイプ)

特徴

  • 背中よりも「頭だけ」が前に突き出ている
  • 顎が前に出やすく、スマホ首になりやすい
  • 壁に立つと後頭部がつかない

起こりやすい不調

  • 首の痛み、頭痛
  • ストレートネック
  • 目の疲れ、集中力低下

? このタイプは
首を引く意識だけではNG
背中・肋骨・お腹まで含めて支え直す必要があります。

③ 巻き肩セット型(肩が内に巻く)

特徴

  • 猫背+肩が内側に巻き込まれている
  • 腕が前に垂れ、手の甲が内を向きやすい
  • 胸の筋肉が常に縮こまっている

起こりやすい不調

  • 肩の前側の痛み
  • 四十肩・五十肩の前段階
  • 呼吸が浅い

? このタイプは
胸を開くストレッチ+肩甲骨を“外に使う”筋トレ
が非常に重要です。

④ S字崩れ型(猫背+反り腰が同時にある)

特徴

  • 背中は丸いのに、腰は反っている
  • 「姿勢を正そう」とすると腰がつらい
  • 女性・長時間座位の人に多い

起こりやすい不調

  • 腰痛
  • 太もも前の張り
  • 下腹ぽっこり

? このタイプは要注意。
猫背だけ直そうとすると、反り腰が悪化します。

1分セルフチェック|あなたの猫背はどこから来ている?

猫背改善で遠回りしないために、
まず 「どこが崩れているか」 を確認しましょう。

難しい検査や道具は不要です。
自宅で今すぐできるチェックを2つ紹介します。

チェック①|壁チェック(立った姿勢)

やり方

  1. 壁にかかと・お尻・背中をつけて立つ
  2. そのまま「いつもの姿勢」で力を抜く
  3. 後頭部が壁につくか確認

チェックポイント

  • 後頭部が自然につく
  • 腰と壁のすき間は手のひら1枚程度

判定の目安

  • ✔ 後頭部がつかない → 首猫背タイプ
  • ✔ 背中が広く壁から離れる → 背中猫背タイプ
  • ✔ 腰のすき間が大きすぎる → 反り腰併発タイプ

※ 無理に頭を押しつけたり、腰を反らせるのはNGです。

チェック②|座り姿勢チェック(デスクワーク想定)

やり方

  1. 椅子に浅く座らず、骨盤を立てて座る
  2. 背もたれに頼らず30秒キープ
  3. 呼吸のしやすさ・疲れ方を感じる

チェックポイント

  • 胸が苦しくならないか
  • 腰や首にすぐ力が入らないか

判定の目安

  • ✔ すぐ背中が丸まる → 支える筋力不足
  • ✔ 腰がつらくなる → 反り腰+体幹弱化
  • ✔ 肩が前に落ちる → 巻き肩セット型

自宅でできる”猫背改善”トレーニング7選

STEP1|まず「整える」──丸まりやすい所をほどく

① 胸をひらくストレッチ(大胸筋)

目的
胸の前が縮んだままだと、肩が前に引っ張られ、
どんなに背中を鍛えても猫背に戻ります。

やり方

  1. 壁や柱の横に立つ
  2. 片手を肩の高さで壁につける
  3. 身体をゆっくり反対側にひねる

ポイント

  • 胸の前〜肩の前がじんわり伸びる感覚
  • 腰を反らせて逃げない

回数

  • 20〜30秒 × 左右1〜2回

② 背中を起こすストレッチ(胸椎伸展)

目的
猫背の“本丸”は背中(胸椎)。
ここが動かないと、首か腰が代わりに頑張ってしまいます。

やり方

  1. タオルを筒状に丸める
  2. 仰向けに寝て、肩甲骨の下あたりに置く
  3. 両手を頭の上に伸ばし、ゆっくり深呼吸

ポイント

  • 「反る」よりも「胸がひらく」感覚
  • 息を吐くほど、背中が床に沈むイメージ

回数

  • 5〜10呼吸 × 1〜2セット

③ 首の前を休ませるリセット(首猫背対策)

目的
猫背の人は、首の前側が常に緊張しています。
ここを休ませるだけで、頭の位置が戻りやすくなります。

やり方

  1. 椅子に座って背筋を軽く伸ばす
  2. 顎を軽く引き、首の後ろを長くする
  3. そのまま鼻から息を吸い、口から吐く

ポイント

  • 顎を強く引きすぎない
  • 首の前がスッと楽になる感覚

回数

  • 5呼吸 × 2〜3回(仕事の合間にも◎)

STEP2|鍛える──姿勢を“支える力”をつくる

④ 肩甲骨を“下げて寄せる”トレーニング(下部僧帽筋)

目的
猫背の人は、肩甲骨を「寄せる」ことはできても、
「下げながら使う」ことが苦手 なケースが多いです。

ここが働くと、

  • 肩がすくみにくくなる
  • 背中が自然に起きやすくなる

やり方

  1. うつ伏せで寝る(おでこはタオルに乗せる)
  2. 両腕をY字に広げる
  3. 肩をすくめず、肩甲骨を斜め下に寄せて腕を少し浮かす

ポイント

  • 首に力を入れない
  • 肩甲骨が“背中の下側”に集まる感覚

回数

  • 5〜10回 × 1〜2セット

⑤ 肩甲骨を“外に使う”トレーニング(前鋸筋)

目的
巻き肩・猫背の人は、
肩甲骨が背中から浮き、前に張り付いた状態になりがち。

前鋸筋が働くと、
肩甲骨が肋骨の上をスムーズに滑る ようになります。

やり方(壁バージョン)

  1. 壁に向かって立ち、両手を壁につく
  2. 肘を伸ばしたまま、背中を丸める
  3. そこから肩甲骨をゆっくり元に戻す

ポイント

  • 肘は曲げない
  • 「腕」ではなく「肩甲骨」を動かす意識

回数

  • 10回 × 1〜2セット

⑥ お腹で支える体幹トレーニング(デッドバグ)

目的
猫背+反り腰がある人は特に重要。
背中や腰で姿勢を支えず、お腹で支える感覚 を作ります。

やり方

  1. 仰向けで寝て、両手両脚を天井へ
  2. 片手と反対側の脚をゆっくり下ろす
  3. 腰が反らない位置で止めて戻す

ポイント

  • 腰は床に軽く触れたまま
  • お腹を薄く固めるイメージ

回数

  • 左右交互に5回ずつ × 1〜2セット

STEP3|定着させる──日常で“戻らない姿勢”を作る

⑦ 椅子で1分|骨盤→肋骨→頭 リセット

目的
座り姿勢で猫背に戻らない“基準位置”を身体に覚えさせる。

やり方

  1. 椅子に深く座り、坐骨(お尻の下の骨)を感じる
  2. 骨盤を軽く立てる(反らしすぎない)
  3. 肋骨を骨盤の真上に重ねる
  4. 最後に、頭をふわっと上に乗せる

ポイント

  • 胸を張らない
  • 腰を反らさない
  • 「積み木を縦に積む」イメージ

時間

  • 30秒〜1分

PRO-motionの考え方|評価 → 整える → 鍛える

PRO-motionでは、猫背を
「姿勢そのものの問題」ではなく、「身体の使い方の結果」 として捉えています。

猫背の多くは、単に背中が丸まっているのではなく、

  • 立つ・座るときの荷重の偏り
  • 肩甲骨と胸郭がうまく連動していない状態
  • 骨盤が安定せず、上半身を支えきれていない状態

といった要素が重なって起こります。

つまり、
姿勢は“原因”ではなく“結果” であり、
いくら背中を伸ばしても、身体の使い方が変わらなければ元に戻ってしまいます。

そのためPRO-motionでは、まず
「どこが原因で崩れているのか」を評価することを最も重視しています。

  • どのタイプの猫背なのか
  • どこが硬く、どこが使えていないのか
  • 日常動作の中で、どこで崩れているのか

これを明確にしたうえで、

  1. 整える(必要最小限で、動ける状態をつくる)
  2. 鍛える(支える力を、正しい場所に入れる)
  3. 日常に落とす(家でも続けられる形にする)

という流れで進めていきます。

自己流でストレッチや筋トレを続けても変わらなかった方ほど、
「評価が変わるだけで、やることが一気にシンプルになる」
というケースは少なくありません。

初回では、
あなたの猫背タイプを特定 → 必要最小限のケア → 自宅で続くメニュー化
までを一貫して行い、
「その場だけ良くなる」ではなく
戻りにくい身体づくり を目指しています。

まとめ

猫背は、
「伸ばすだけ」「意識するだけ」では高確率で戻ります。

大切なのは順番です。

  • まずチェックして、自分の崩れ方を知る
  • 硬いところを整える
  • 支える筋肉を鍛える
  • 日常動作の中で定着させる

この流れで進めることで、
無理なく、自然に姿勢が変わっていきます。

猫背改善は、頑張り続けるものではなく、
「正しい身体の使い方を覚えるプロセス」

できることから、少しずつ。
今日の1分が、明日の姿勢を変えていきます。

執筆

片浦 聡司

PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))

名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。

体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景

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