2025.12.24

関節・痛み

【理学療法士が解説】整体に行ったのに、痛い・戻る…それ“よくある話”で終わらせていい?

整体を受けた直後は、
「体が軽い」「少し楽になった」
そう感じた。

でも——
数日たつと、また痛い。
あるいは、元に戻っている気がする。

「整体って、こんなものなのかな」
「続けないと意味がないってこと?」
「それとも、私の体が悪いの?」

たしかに、整体のあとに
だるさや軽い痛みが出る(好転反応)こと自体は珍しくありません。
ですが、それだけで片づけてしまっていいケースと、そうでないケースがあります。

毎回つらい思いをしている
すぐに元に戻ってしまう
良くなっている実感が持てない

こうした状態が続いているなら、
原因は「好転反応」以外のところにある可能性が高いです。

実は、整体の効果が続かない人には
共通して見られる3つの理由があります。

整体を“その場限り”で終わらせないための考え方を、
専門家の視点からわかりやすく解説していきます。

まず整理:整体後の「痛い・戻る」はどこまで普通?

整体を受けたあとに
「少し痛い」「だるい」「違和感がある」
と感じること自体は、珍しいことではありません。

ただし大事なのは、
その痛み・違和感が“どんな性質か”という点です。

ここを整理せずに
「好転反応だから大丈夫」と一括りにしてしまうと、
本来見逃してはいけないサインまで流してしまうことがあります。

様子を見ていいケース(よくある反応)

次のような状態であれば、
多くは一時的な反応の範囲内です。

  • 筋肉痛のような重だるさ

  • 体がぼーっとする、眠気が強い

  • 動かし始めに少し違和感がある

  • 日ごとに少しずつ軽くなっている

これらは、
今まであまり使われていなかった部分が動き出したことで
出ることが多く、2〜3日ほどで落ち着くケースが一般的です。

注意が必要なケース(連絡・再確認したいサイン)

一方で、次のような状態がある場合は
「好転反応」で片づけず、注意が必要です。

  • 我慢できない強い痛みが出た

  • しびれが増えた、範囲が広がってきた

  • 熱っぽさ・腫れ・内出血が強い

  • 1週間たっても改善せず、むしろ悪化している

この場合、
施術の刺激が強すぎた、
体の状態とアプローチが合っていなかった、
あるいは別の原因が隠れている可能性も考えられます。

不安を我慢せず、
施術を受けた施設に相談したり、
必要に応じて医療機関での確認も大切です。

問題は「毎回つらい」「すぐ戻る」ケース

ここで多いのが、こんなパターンです。

  • 数日すると、元に戻った感じがする

この場合、
痛みの正体は「悪化」ではなく、
体が良い状態をキープできていないことにあります。

そしてここから先は、
いわゆる好転反応の話よりも、体の使われ方そのものを見直す必要があります。

整体後に痛い・戻る人に多い「3つの原因」

整体を受けたあとに
「また痛くなった」「結局戻った気がする」
と感じる人には、共通して見られる原因があります。

それは、体が悪いわけでも、整体が無意味だったわけでもなく、
“整えた状態が定着していない”という点です。

その背景にあるのが、次の3つです。

① そもそも「支える筋肉」が弱い

整体で体を整えると、
関節や筋肉は一時的に動きやすい良い位置になります。

しかし、その状態を
日常生活の中で支え続ける筋力が足りないと、
体は楽な(=元の)位置へ戻ってしまいます。

特に多いのは、

  • お尻や体幹がうまく使えていない

  • 立っているだけで疲れやすい

  • 「良い姿勢」を意識しても長く保てない

といったタイプです。

これは意志の問題ではなく、
物理的に支えられない状態になっているだけ。

この場合、どれだけ整体で整えても
「支え」が育っていなければ、戻るのは自然な反応です。

② 動きのクセ(悪い使い方)が変わっていない

整体後に
「体が軽くなったから、いつも通り動いた」
という人ほど、実は戻りやすい傾向があります。

なぜなら、
体を歪ませてきた“いつもの動き方”は変わっていないからです。

よくあるのは、

  • 立ち方・座り方が毎回同じ

  • 片側に体重をかけるクセ

  • 仕事中や家事中の姿勢が固定されている

整体で一度リセットしても、
同じ使い方をすれば、同じ負担がまたかかります。

この場合の痛みや違和感は、
「悪化」というより
体がまた同じパターンに戻っているサインです。

③ 体(脳)がまだ新しい動きを覚えていない

もうひとつ、見落とされがちなのが脳の問題です。

人の体は、
長年慣れ親しんだ動きや姿勢を
無意識に繰り返すようにできています。

そのため、

  • 「正しい姿勢は分かっている」

  • 「気をつけているつもり」

でも、
気づくと元に戻っている、ということが起こります。

これはサボっているわけではなく、
脳がまだ新しい動きを“自動化”できていない状態

意識だけで変えようとすると限界があり、
短く・簡単な動きを繰り返して
体に覚えさせていく必要があります。

整体後の過ごし方

整体後は動いていい?

整体を受けたあと、
「動かないほうがいいですか?」
と聞かれることはよくあります。

結論から言うと、
整体後は、むしろ動いたほうがいいケースが多いです。

ただし、ひとつだけ大事な条件があります。

それは、
“今までと同じ動き方に戻らないこと”

なぜ「動いたほうがいい」のか?

整体で体を整えた直後は、

  • 関節が動きやすい

  • 余計な力が抜けやすい

  • 正しい位置を感じ取りやすい

いわば、
体がリセットされた直後のゴールデンタイムです。

このタイミングで動くことで、

  • 正しい動きを体に覚えさせる

  • 「楽に動ける感覚」を脳にインプットする

ことができます。

逆に、
何も動かずに日常に戻ると、
体はまた元のクセの動きを選びやすくなります。

問題なのは「動くこと」ではなく「戻る動き」

整体後に
「痛くなった」「戻った」と感じる人の多くは、

  • 動きすぎた
    ではなく

  • いつも通りの使い方で動いてしまった

というケースがほとんどです。

例えば、

  • 無意識に片側へ体重をかける

  • 腰や肩だけで動く

  • 疲れると姿勢が一気に崩れる

こうした動きは、
体を整える前と同じ負担のかけ方です。

その結果、
「やっぱり戻った気がする」
という感覚につながります。

整体後におすすめなのは「軽いけど意味のある動き」

整体後にやってほしいのは、

  • ウォーキング

  • 日常動作(立つ・歩く・階段)を丁寧に

  • 「楽に動けている感覚」を確かめる動き

いわゆる
トレーニングを頑張るではなく、“整った状態で動く練習”です。

これができると、

  • 支える筋肉が使われ

  • 動きのクセが上書きされ

  • 脳が新しい動きを覚え始める

という、
この記事前半で説明した
3つの原因すべてにアプローチできます。

それでも不安な人は、どうすればいい?

ここまで読んで、
「理屈は分かったけど、やっぱり不安」
そう感じる人もいると思います。

それは、とても自然なことです。

なぜなら、
整体後の体は“変わり始めている途中”だから。

  • 良くなった感じもする

  • でも、完全に安定しているわけではない

この中間の状態が、いちばん不安になりやすいのです。

だからこそ大切なのは、
「我慢する」ことでも
「安静にしすぎる」ことでもありません。

今の体が、どの段階にあるのかを確認すること。

それだけで、不安はかなり整理できます。

整体が悪いわけでも、あなたの体が悪いわけでもない

整体後に
「痛い」「戻る」
と感じると、

  • 施術が合っていなかったのでは

  • 自分の体がよっぽど悪いのでは

と考えてしまいがちです。

でも実際は、
そのどちらでもないケースがほとんどです。

多くの場合、起きているのは
「整えたあと、どう使うかがまだ整理されていない」
というだけ。

  • 支える力は足りているか

  • 動き方は変わっているか

  • 体(脳)は新しい動きを覚え始めているか

ここを確認せずに
「効いた/効かなかった」
で判断してしまうと、
本当の原因が見えなくなります。

整体は、
ゴールではなく“きっかけ”

そこからどう体を使っていくかで、
結果は大きく変わります。

PRO-motionが大切にしている考え方

PRO-motionコンディショニングスタジオでは、
整体や施術を
「その場で整えて終わり」にはしません。

私たちが大切にしているのは、次の流れです。

  • 評価する
     なぜ痛みが出るのか、なぜ戻るのかを整理する

  • 整える
     動きやすい状態をつくる

  • 鍛える(=動きを覚えさせる)
     日常の中で無意識でも崩れない体にしていく

この3つがそろって、
はじめて
「戻りにくい体」
になっていきます。

もしあなたが、

  • 整体に行っても不安が残る

  • その場では良いけど、続かない

  • 何をすればいいか分からない

そう感じているなら、
それは体が悪いのではなく、
“次のステップが必要なタイミング”なだけかもしれません。

まとめ|「痛い・戻る」で終わらせないために

整体の後に
痛い、戻る、と感じること自体は珍しくありません。

でもそれを
「好転反応だから」
「私の体が悪いから」
で終わらせてしまう必要はありません。

大切なのは、

  • 今の体の状態を知ること

  • どう使えば定着するのかを知ること

そして、
整えた体を“育てていく”視点を持つこと。

その視点を持てたとき、
整体の経験は
「意味がなかったもの」ではなく、
次につながる一歩に変わります。

執筆

片浦 聡司

PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))

名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。

体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景

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