2025.12.25

股関節の痛み

【理学療法士が厳選】股関節の痛みストレッチ3選|座りっぱなしで鼠径部が痛い人へ

「股関節の痛み ストレッチ」で調べる方の中でも、特に多いのが デスクワークや運転など“座りっぱなし”のあとに、鼠径部(足の付け根)がズキッとするタイプです。

このタイプは、単に筋肉が硬いというよりも、股関節がうまく“真ん中(求心位)”に収まらず、前側に抜けるように負担が集まっているケースが少なくありません。
だから闇雲に「たくさん伸ばす」「痛いところをグイグイ伸ばす」をやると、かえって詰まり感が強くなったり、翌日に痛みが増えることもあります。

そこでこの記事では、座りっぱなしで鼠径部が痛い人に向けて、理学療法士の視点で“前に抜けやすい股関節”を整えやすい順に、ストレッチを3つだけ厳選しました。
どれも自宅でできて、道具も基本不要。ポイントは「柔らかくする」より、股関節が前で頑張らなくていい状態を作ることです。

多くの人は「股関節が前にズレる」ことで痛くなる

座りっぱなしのあとに
「立ち上がると足の付け根が痛い」
「歩き出しの一歩目がつらい」
そんな方は、股関節が前側で頑張りすぎている状態かもしれません。

長時間座っていると、

  • 股関節の前の筋肉(腸腰筋)が縮みやすい

  • お尻の筋肉がうまく使われにくい

このバランスの崩れで、股関節が本来の位置から前にズレたまま動くクセがつきやすくなります。
すると、鼠径部(足の付け根)に「詰まり」「引っかかり」「ズキッとした痛み」が出やすくなります。

まずは1分セルフチェック

次の動きで、当てはまるか確認してみてください。

  1. 仰向けに寝て、片膝を両手で抱える

  2. そのまま、膝を胸の方へゆっくり引き寄せる

  3. このとき、股関節の前(鼠径部)が詰まる・痛い感じが出る

と感じたら、股関節が前にズレやすいタイプの可能性が高いです。

このタイプの方は、
ただ脚を引き寄せたり、強く伸ばすストレッチよりも、
股関節が前で頑張らなくていい位置を作るストレッチの方が効果的です。

股関節の痛みをラクにするストレッチ3

ストレッチ①|大内転筋ストレッチ(スパイダーストレッチ)

やり方(同側の手をくぐらせる)

  1. 四つ這いから、片脚を横に出す

  2. 出した脚と同じ側の手を、股の間から床につく

  3. 反対の脚は後ろに伸ばしたまま

  4. 背中を反らさず、お尻をゆっくり後ろへ引く

  5. 内もも〜足の付け根が伸びたところで
     20〜30秒キープ × 2回

左右それぞれ行いましょう。

ポイント

  • 痛みが出るほど深くやらない

  • 「内ももがじわっと伸びる」感覚を優先

ストレッチ②|殿筋(お尻の奥)ストレッチ

やり方

  1. うつ伏せになります

  2. 片脚の股関節と膝を曲げて、脚で三角形をつくる

  3. その脚と反対側の手を、体の前で遠くに伸ばす

  4. 胸を床に近づけるように、ゆっくり体を預ける

  5. お尻の奥が伸びたところで
     20〜30秒キープ × 2回

左右それぞれ行いましょう。

ポイント

  • 伸びるのは「お尻の奥」。腰や股関節の前が痛いのはNG

  • 強くねじらず、「じわっと伸びる」位置で止める

ストレッチ③|腸腰筋ストレッチ(股関節前側)

やり方

  1. 片膝立ちになる(後ろ脚が伸ばしたい側)

  2. 背すじを軽く伸ばす

  3. 後ろ脚側のお尻をキュッと締める

  4. そのまま体を少し前に移動

  5. 股関節の前が伸びたところで
     20〜30秒キープ × 2回

左右それぞれ行いましょう。

ポイント

  • 腰を反らさない(反ると逆に前に抜けやすい)

  • 伸びるのは「股関節の前」。腰が痛いのはNG

  • 「お尻を締めたら前が伸びる」が正解サイン

やりすぎ注意|逆効果になりやすいストレッチと受診の目安

股関節のストレッチは、やり方を間違えると逆に痛みを長引かせてしまうことがあります。
特に「前に抜けやすいタイプ」の方は、次のような動きに注意してください。

逆効果になりやすいストレッチ

  • 腰を反らしながらのランジストレッチ
    → 股関節がさらに前に抜け、鼠径部の詰まりが強くなりやすい

  • 痛いのに股関節を大きく回す動き
    → 関節の前側をこすりやすく、違和感が残る原因に

  • 開脚やあぐらでグイグイ押し込むストレッチ
    → 「伸び」ではなく「関節の痛み」が出る場合は要注意

ストレッチは、
「たくさん伸ばす」より「前で頑張らなくていい状態を作る」
これが大切です。

ストレッチでOKな痛み・やめた方がいい痛み(受診目安)

次を目安に、セルフケアを続けてよいか判断してください。

ストレッチを続けてOKなケース

  • 動き出しや歩き始めに痛い

  • 座ったあと立つときに痛みが出る

  • 体が温まると少しラクになる

  • ストレッチ後に「軽くなった感じ」がある

こうした場合は、今回紹介したストレッチが合っている可能性があります。

いったん中止して受診を考えたいケース

  • 夜間や安静時にも痛む

  • 腫れ・熱感がある

  • 足に強いしびれが出る

  • 体重をかけられない

  • 転倒後から急に痛くなった

  • ズキッとした強い痛みが続く

これらがある場合は、無理にストレッチを続けず、整形外科など専門家へ相談してください。

まとめ|股関節の痛みは「たくさん伸ばす」より“位置”が大事

座りっぱなしのあとに出る鼠径部の痛みは、
筋肉が硬いからではなく、股関節が前で頑張りすぎていることが原因になっているケースが多くあります。

今回ご紹介したストレッチは、

  1. 内もも(大内転筋)

  2. お尻の奥(殿筋)

  3. 股関節の前(腸腰筋)

この順番で、股関節が前に抜けにくい状態を作ることを目的にしています。

それでも痛みが戻る・左右差が強い場合は

ストレッチで一時的にラクになっても、

  • すぐ元に戻る

  • 片側だけ強く痛い

  • 歩き方や姿勢にクセがある気がする

こうした場合は、動きの中で股関節がどう使われているかを見直す必要があります。

PRO-motionコンディショニングスタジオでは、

評価 → 整える → 鍛える

という流れで、
痛みのある部分だけでなく、
「なぜそこに負担が集まっているのか」を評価します。

  • 立ち方・歩き方

  • 片脚での安定性

  • 股関節・骨盤・体幹の連動

こうした動きを確認したうえで、
その人に合った整え方・トレーニングを行います。

「ストレッチだけでは限界を感じている方へ」

  • セルフケアを続けているのに改善しない

  • 痛みを気にせず動ける体を作りたい

  • これ以上悪化させたくない

そんな方は、一度 専門的な評価を受けてみてください。

股関節が前で頑張らなくていい体の使い方が身につくと、
日常動作そのものがラクに変わっていきます。

執筆

片浦 聡司

PRO-motion代表取締役 / 理学療法士 / 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT) / (公財)日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ(水泳競技(2015~2016))

名古屋大学医学部卒。急性期病院で整形外科領域を中心に臨床経験を積み、姿勢・動作の分析から痛みや不調の原因を見立て、再発予防につながるコンディショニング指導を得意とする。
2015年より2年間、JOC医科学強化スタッフとして国際大会(ユニバーシアード等)にも帯同。
高齢者からトップアスリートまで幅広くサポートしている。

体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景 体験プログラムのトレーニング風景

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